お薦め!
☆
ASIN: 4909247106

『コロナの時代の愛』の鬼才、イシュマエル・ノヴォーク待望の最新長編!
ウォルマートのレジ係、マーガレット・ホットフィールドは一ヶ月前に母を亡くして天涯孤独。ある昼下がり、アパートを訪れた弁護士に、逢ったこともない父の存在を告げられた。1971年にパリのアパートで客死した伝説のロックバンド〈パーセプション〉の歌手、ダグラス・ハイドパークの血をマーガレットが受け継いでいるというのだ。運命に導かれるがごとく契約書に署名した彼女は、ヌンチャクを手にしたトンボ眼鏡のアフロファンキーDJ、全裸で空から降ってきたプレスリーのそっくりさん、写真家にして弁護士のトランスジェンダーといった奇妙な仲間たちと珍道中を繰り広げながら、血と音楽のルーツを求めて冒険の旅に出る……70年代にオーバードーズで死んだ伝説のロック歌手を巡る、抱腹絶倒、ワチャワチャでハチャメチャなドタバタ劇!


¥3,300
人格OverDrive 2022年, ペーパーバック 483頁
※価格はこのページが表示された時点での価格であり、変更される場合があります。商品の販売においては、購入の時点で Amazon.co.jp に表示されている価格の情報が適用されます。

人格OverDriveがいちばん売りたい本

人格OverDrive 執筆者専用 SNSオール・トゥモロウズ・パーティーズにおいて著者と編集者のあいだで交わされた会話をここに再録する

一九七一年 パリホテル・アンリ四世

二〇〇三年 アーカンソン州リトルロック

リトルロック空港

アーカンソン州リトルロック

カリフォルニア州ロサンゼルス

——文体から音楽が聞こえてくるかのようですこのバンドが実在しないなんて信じられませんSpotify で検索しそうになりました

ドアーズをモデルにしていますが音楽の内容はよりマニアックな方向を想定しています小説における音楽の取り扱いについては、 『ペリフェラル・ボディーズ』 (『コロナの時代の愛収録で試しましたがこちらはより広範囲にやってみようと思っていますパーセプションはドアーズが元ネタですが音楽的にはピンクフロイドみたいなそれほどテクニカルではないプログレッシヴ・ロックアート・ロックの草分けみたいなバンドかなと考えていますできる限り本当っぽく見せるようにしています

——五枚のアルバム紹介がいかにもそれっぽくて十代の頃から実際に愛聴してきた作品のことが書かれているかのような錯覚に陥ります六十年代末から七十年代初頭の音楽ってまさにあんな感じですよねルー・リードが彼らの音楽を聴いていたらきっと嫉妬してのちのちまでぼろくそにいっていただろうなと空想します

ジャンルの区別が明確ではない頃のロック特有のあやふやさとコマーシャリズムに従ってしまう微妙さ最後のアルバムが初期のアウトテイク集っていうのもありがちですねこの説明のノリは音楽雑誌の評論家が使いそうな言い回しをネタにしています

カリフォルニア州サンタモニカ

——本作の登場人物のように伝説的な天才を喪った仲間はその後の人生をどのように生きるのかとたびたび考えます

パターンは色々あると思いますが縋って生きるかそれとも切り捨ててしまうかあるいはうまいことをやって切り抜けていこうとするのかも知れませんどれも正しいと思います執筆する上では私自身が天才というわけではないので説得力に欠けてしまわないように周辺の人物たちに語らせています彼らはダグを見たいように見ているのでどこかチグハグな印象になるようにしています

カリフォルニア州ビバリーヒルズ

——主人公がどう感じ何を思ったか直接には書かれていないのに彼女が目にした光景が客観的に語られることでかえって臨場感をともなって伝わってきます犯罪小説みたいでドキドキしました息のつまるような犯行をやりとげた後のとぼけたシーンが効果的です

「『ペリフェラル・ボディーズを書いているあたりから登場人物が見たモノや景色を断片的に追い掛けるというスタイルを試しています読者と登場人物の視点を重ねるという意味では一人称語りと同じでしょうが一人称語りは語り手の人間臭さ偏りを受け入れられない時もあります今回の主人公であるマーガレットはあまりお喋りではありませんし度胸があるわけでもありませんやや社交性に欠けるあまり世慣れしていない人間が消費大衆文化メディアといったものに翻弄されながら自分を見つけていくそんな物語にしたいと考えています

アリゾナ州エルコ

一九七〇年カリフォルニア州ロサンゼルス/ミスター・ジョンソン死んだよ

——一文一文がすごく好きです歌詞もすてきです

私は詩を書かないので結構悩みましたが洋楽の歌詞を翻訳したようなそんな手触りにすればいいかなと思って試しました

私たちは何者か?

テキサス州ダラス

アーカンソン州リトルロック

カリフォルニア州ロサンゼルス

——登場人物がみんな活き活きしていますね六十年代の音楽が大好きなので感情移入して読んでいます

いよいよ物語が大きく動き始めますギアを上げていきます!

カリフォルニア州ブエナパーク

アーカンソン州リトルロック

——うさんくさい大立者の描写が大好きです。 『ロサンゼルスで最もホットな人気DJに期待が高まります

私は悪人や悪党をただ悪いだけでなく人間臭いもしくは経験を積んだことで達観したような登場人物を描くことを好みますが、 「ブエナパークのトラウトマンはちょっとよくできすぎたかなと思っていますはじめのうちは他に登場する予定はなかったのですがまたどこかで登場させるかも知れません

サタデー・ナイト・サタナイトショー

——大好きなジョニー・オーロラにまた逢えて嬉しいです。 『FRESHのジャケットみたいなポーズをしてしまいました!

ジョニーはペリフェラル・ボディーズでは脇役でしたが、 『では準主人公ぐらいまで格上げしていますまた今後は騒がしい登場人物たちが続々と登場予定です

黒いブラックサバス

——その場で音楽を体感しているかのような前半と劇的に一変する展開ジョニー・オーロラの人間味⋯⋯最高です。 「マーガレットは音楽の話なんて聞きたくないと言うなり子どものように泣きじゃくったの一文に胸を打たれました

ジョニーは、 『のジェイク・キニスキーに似たところがあり書いていて非常に楽しい登場人物です。 『基本ジェイクの単独行動でしたが、 『はマーガレット一人では解決できないので力を借りた次第です

カリフォルニア州スキッドロウ

——ジョニー・オーロラ大好きです彼の名言にいくつも出会えて幸せです!

ようやくマーガレットに助っ人が加わりました一応ジョニーはジェイク・キニスキーよりも他人を突き放さないリベラルな考えの持ち主だと想定していますジェイクはインテリ特有の斜に構えたようなところがありますがジョニーはもっとまろやかというか。 『ペリフェラル・ボディーズでは狂言回しのような役割だったのでジョニーの人種やコミュニティについてはあまり触れないようにしましたが、 『色々な人物が登場するので思いきって書いています

ブリテン・ボード・システム

カリフォルニア州インペリアル郡 ~ジャック・トレモンド

——作中の歌詞がばっちり決まっていますフォーラムにいますぐ参加して熱く語り合いたい

解散しているとはいえ有名だったのなら多分今でも掲示板なり非公式サイトがあるだろうなと思った次第ですそしてそういったサイトの利用者ファンはバンドメンバーたちの人間臭い部分を深く知っているわけではないでしょうから熱っぽくいささか軽薄な調子で語るだろうと思いました実験的でしたが、 『カイディッシュブッフ中のイディッシュ語新聞ができるまでをヒントにしましたパーセプションは物語の重要な鍵ですので音楽性や和音リズム歌詞について触れなければ説得力に欠けてしまうかなと思って書いています小説においては音楽の中身に触れるものは珍しいと思いますが折角だからやってみようと思っています

カリフォルニア州インペリアル郡 ~スティーヴ・ブルームデイ

裸の街

——新しい仲間も加わってますます絶好調ですね思いがけないゲスト出演も

ありがとうございますジョニージャッキースティーヴという妙な仲間が加わってこのあたりから物語の動きが激しくなります自分自身執筆していてアフロヘアーとプレスリーそっくりさんが並んでいるシーンを思い浮かべて笑ってしまっています

明敏で過敏なパーセプション 一九六六年 アップビート誌 九月号より

カリフォルニア州サンディエゴ ~ドーピーズ

ピンクパープルの力学

——一度にこんなに読めてゴージャスな気分です

それぞれ趣向を変えたつもりなので楽しんでいただけたようでしたら幸いです個人的にピンクパープルの力学の露悪的なところが気に入っていますこういう悪趣味なものはあまり考えずにスパスパ書けますまたドーピーズのジョニージャッキースティーヴは三銃士のパロディですあんまり頼りにならなそうな連中ですけど一波乱起こしそうです

——『全は個のために個は全のためにがジョニー・オーロラにかかると全は全個は個になっちゃうのが笑いましたドーピーズ大好きです

バカみたいなセリフですが公共心とか社会のためというような概念に属さない姿勢を示すためにこういうセリフにしましたドーピーズは三人の個性が強いので並ぶと会話が弾みますが弾み過ぎて物語の進みが遅くなるのがタマにキズです物語はまだまだつづきますのでそこは上手く落ちればいいなぁと思っています

カリフォルニア州サクラメント

一九七〇年 コロラド州プエブロ

——いよいよ佳境ですねドーピーズの面々はいままさに目の前にいて言い合いをしているかのようですしミステリ的な盛り上がりもあってわくわくさせられます最後の段落に鳥肌が立ちました

このあたりから物語は本格的に動いて行きますこれまではオフの状態のハイドパークが喋っているシーンはほとんどありませんでしたのでコロラド州プエブロは新鮮でしたカリスマ性や神秘性が削がれてしまうと考えたので中々手をつけませんでした)」

ハート・オブ・グラス

屈折した知覚

——ジョニー・オーロラの連発される名言に拍手喝采したりジャッキーとブルームデイのやりとりに爆笑したりマーガレットへのジャッキーのまなざしに共感したりマーガレットにしてみれば大人の助言に映ることでしょうがジャッキーにしてみればうまくやれなかった過去を目前の若者に投影して何かを託してるんですよねしていたのですが、 『屈折した知覚でもう言葉を失いました

ジャッキー本人は喋りませんが根底にあるのは血を分けた子どもを持つことができないことがあると思いますもちろんジャッキーはそのことを後悔したり恥じたりしているわけではありませんまたジャッキーは家族との関係を完全に断っているというのもあると思いますジャッキーがマーガレットに対して母親のように振る舞うことがあるのはそういう理由だと考えていますジョニーブルームデイジャッキーはコミュニティが異なりますし考え方も異なりますが社会からはみ出しているという点では同じだと考えています次はセントルイスに行きます!ちょっと長いです)」

ミズーリ州セントルイス

離見の見

——今回ブルームデイの台詞には泣かされましたマーガレットの伯父さんにも母親の手紙にも作中の歌詞がまたよかったですトラウトマンの悪役っぷりにも痺れます

はじめのうちブルームデイは厄介な男という印象が強かったと思いますが次第に厄介ではあるけれど優しさや配慮が見えるようになってきましたトラウトマンはお気に入りの登場人物です享楽的で倫理にも欠けていますが魅力的に描けているように思っています

審理前会議

オーディション

予備審問

ハイエナたち

デイライト

——ドーピーズの個性的な面々に夢中ですトラウトマンは何を企んでいるのか。 『ひしゃげた重金属のような声』 『重戦車のような演奏の比喩迫力ある音楽が目の前で鳴っているかのようですこの空気感!

物語としては折り返しに入っていますので抜かりなく走り切りたいと思っています!

アリゾナ州フェニックス

——Stretchin’ Out を聴きながら読ませていただきましたなぜこの曲なのかがわかって爆笑しました!

今回は突拍子もないアイディアばかりでしたので結構ヒヤヒヤしていました

立証を終えて

ブリテン・ボード・システムⅡ

——ジャッキーとトラウトマンの対決パーセプションの再結成うまくいえませんがぐっときます

はじめトラウトマンがこんなに息の長い登場人物になるとは思いませんでしたあくまでコッパードの代わり繋ぎ程度でしか考えていませんでしたが、 『ピンクパープルの力学を書いたあたりで、 『もっと書いたらどうなるかな?と思うようになりました気分屋で好色横柄で哲学的なトラウトマンは物語の中で異彩を放っていて特に気に入っている登場人物だったりします

テキサス州エルパソ

チップの用意はいいかい?TAKE1TAKE2TAKE3

テキサス州 ~天使のホンキートンク

——エミール立派になって⋯⋯としみじみしジョニーとブルームデイのやりとりに爆笑しジェイクが脚本家としても成功していたことを知り⋯⋯マリネッティは激突! 殺人リリーフカーの監督ですよねもしかしてそれも読めたりします?

ご指摘の通りマリネッティは激突! 殺人リリーフカーを監督していますが劇中劇で使うには長すぎるので今回は挟みません最近自分の中でシリアスとコメディの距離が近付いていてこれを詰めていくとさらに違う何かになるのかなぁ? とボンヤリ考えています

はかりごと

煙が目にしみる

フロリダ州マイアミ

——トラウトマンの悪人ぶりに痺れますいよいよ謎の核心に近づいた気がして今後の展開が楽しみです

物語中のトラウトマンは明確な目的があります主人公たちは深く考えずに行動を重ねていますので対比としての役割もあります当初はあまり考えずに登場しましたが今では重要人物の一人になりました。 『ペリフェラル・ボディーズは群像劇で必ずしも点は繋がっていませんが、 『は全体が一本の糸になるように計画しています

モルフォゲンの輝き

暗号美学

フロリダ州タイタスビル

——ブルームデイの大活躍が嬉しいです血湧き肉躍る活劇シーンのように音楽が描かれるってすごいことだと思いました

ブルームデイの歌唱シーンは絶対に出したいと思っていました。 『は暴力を直接的に描かないようにしたいと思ってこういう形になりましたブルームデイはジェイムズ・ジョイスのユリシーズから引いているので元ネタであるホメロスのオデュッセイアをからめつつの監獄ロックという形にしてみましたポストモダン的な遊びではありますが全体が流れるように気を付けました

螺旋のたたかい

名なしのパリ

——圧倒されっぱなしですリーガル・サスペンスありエスピオナージュあり⋯⋯小説のおもしろさのすべてが詰め込まれています

法廷シーンは私が英米法に詳しくないのであっさりにしています海外ドラマのスーツとか観ることも考えましたがやっぱりあれも作り物で実際の手続きとは違うわけですしまたCSIが流行したら陪審員たちが有罪無罪を判断するのに証拠に重きを置きすぎるようになったということもあるのでそこは深く掘り下げなくていいかなと思いましたオズボーンの章はちょっとした遊び心ですですが主人公が本筋と関係ない自分探しの旅みたいなことをやっているので代わりに仕事をしてもらった感じです最終的には出鱈目のように見えたものが一つの点に集まるような感じになればいいなぁと思っています

カリフォルニア州ロサンゼルス ~舌の差

ネバダ州エルコ ~引き裂かれた休息

一九七一年 カリフォルニア州オランチャ

——マーガレットが冗談を口にするところ最高にエモーショナルでした初登場時は生活に打ちひしがれひとりぼっちの闘いにくじけそうだった彼女がこんなにも成長するなんて田舎町がファンで溢れかえる描写、 「君にとってダグは過去の人でもぼくにとっては永遠の友だちなんだの台詞カツラのリポーターのエピソード棺桶の謎⋯⋯もはや作中のファンと同化して神のようにダグを仰ぎ見てしまいます

これまでの散々な旅を経験すれば冗談ぐらいは言うかな? と思って書いてみましたカツラリポーターや検死局は遊び心です真面目そうに振舞っている人が浮世離れしていたり妙な感性を持っていたりすることに心惹かれますハイドパークを描く時はいつも迷いますというのも天才と称される人間を描くことは天才でない私が描けるわけないしそもそも天才ではない人間は理解することができないどうしたらいいものか? と考えた挙句関係者の語りといった外堀から作っていくという形にしました

ブリテン・ボード・システムⅢ

イン・ゴッド・ウィ・トラスト

知覚の子

——あのマーガレットが⋯⋯嬉しくて泣いちゃいました脇役の裁判官もすごくよかったです読者はみんなドーピーズの大ファンになると思いますもしかしてこれ最終回ですか?

まだ終わらないですですがもうちょっとで終わります

回転円卓

新しい知覚

アップビート誌 編集長記新しいパーセプションライブ評

ジャッキーに薔薇を

——きのう最終回かと早とちりした自分が恥ずかしいですこれこそこの大傑作にふさわしい結末です永遠にまわりつづける輪があるべきかたちで閉じられた気がします充実した読後感です!

風呂敷は広げましたが大体は解決させました今回最初から殺人を描かないことにしようと決めていましたまた過度な暴力も控えました乱闘シーンはコメディタッチにしてシリアスにそれからマーガレットとジョニーは恋仲にしないと決めていましたトラウトマンにはかなり無理をさせましたが悪人だと思っていたらそうでもないジノ・フィルがダグの信者であるとするならばトラウトマンは友人のような感じでしょう思うに時に天才と呼ばれる人びとは私たち普通の人と違って倫理的社会的な規範から逸脱したことをします。 (私たちだって犯罪をすることはありますけどそういったボーダーを飛び越えてしまったダグを理解できるのはトラウトマンだけだったのかなぁとなんとなく思っています

——トラウトマンの役回りには驚かされましたおっしゃる狙いどころがばっちりはまっていますところで単行本はどうされますかわたしなんかが手がけるのは勿体ないような気もするのですが⋯⋯

大丈夫ですよただ長いので読み直し作業に時間が掛かりそうです

——いい本をつくるとお約束しますよろしくお願いいたします!

試し読み

https://ezdog.press/post-29544.html

解説

https://ezdog.press/post-30504.html

書評

(2021年09月11日)

本の出逢いをつくります。
ぼっち広告

AUTHOR


イシュマエル・ノヴォーク 認証

作家、ジャズピアニスト、画家。同人誌サークル「ロクス・ソルス」主催者。代表作『暈』『コロナの時代の愛』など。『☆』は人格OverDrive誌上での連載完結後、一部で熱狂的な支持を得た。

イシュマエル・ノヴォークの本