偶然の音楽
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偶然の音楽

妻に去られたナッシュに、突然20万ドルの遺産が転がり込んだ。すべてを捨てて目的のない旅に出た彼は、まる一年赤いサーブを駆ってアメリカ全土を回り、〈十三カ月目に入って三日目〉に謎の若者ポッツィと出会った。〈望みのないものにしか興味の持てない〉ナッシュと、博打の天才の若者が辿る数奇な運命。現代アメリカ文学の旗手が送る、理不尽な衝撃と虚脱感に満ちた物語。

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読んだ人:杜 昌彦

偶然の音楽

だめなほうの彼ですすでに触れましたけどオースターは超絶おもしろい本とダウナーで退屈な本を交互に書くんですねわざとやってるんじゃないかと思うくらい同じ作家がこうも違うのかとびっくりした記憶がありますうまいか下手かでいえば当然うまいですよ下手でそうなるんじゃなくてダウナーで退屈なのをちゃんと書くんです逆に始末に負えないこの気分をどうしてくれるといつもながら思います落として落として落として子どもの頃に読み親しんだ星新一ならそこで大きなツイストがあるところなんですけどここまでやったら当然大どんでん返しが⋯⋯と一縷の望みにしがみついて読みすすめていくとついに最後まで転換しない救われない普通に落ちたまま終わるんですなんだよそれと思いますね逆に意外でしたオースターもまたフリッツクラフトの寓話ハメットマルタの鷹に出てくる乖離性遁走の男に取り憑かれた作家ですね日本では佐藤正午が同じ主題で名作をいくつも書いています

(2017年09月07日)

(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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ポール・オースター
1947年2月3日 - 2024年4月30日

米国の作家・詩人・映画監督。彼の作品はニューヨーク、特にブルックリンを土台にしている。1993年、『リヴァイアサン』によってフランス・メディシス賞の外国小説部門賞を受賞した。