柳楽 馨

裏切り者へ愛をこめて:阿部和重論

阿部和重に芥川賞をもたらした『グランド・フィナーレ』の宣伝文句を、私はよく覚えている。「文学が、ようやく阿部和重に追いついた」。しかし、「批評」が阿部に追いついていない。

第19回: おわりに

私たちが阿部に追いつけたとはとても思えないが、最後に今一度、この作家がいまどこを疾走しているのかを素描しておこう。

書いた人: 柳楽 馨

第18回: 甘き死を超えて 4

自らを成長させ続ける阿部にとって、最新作こそ最重要作品である。

書いた人: 柳楽 馨

第17回: 甘き死を超えて 3

したがって、育成に重点を置いているにもかかわらず、阿部は『Orga(ni)sm』で積極的に母親を描かない。

書いた人: 柳楽 馨

第16回: 甘き死を超えて 2

注意深く見守る「育成」が、閉じこめて殺す「監禁」という裏面を持つことを思えば、この甘い死の匂いにも納得がいく。

書いた人: 柳楽 馨

第15回: 甘き死を超えて 1

破壊と暴力の嵐は生まれ変わり、『Orga(ni)sm』の「阿部和重」を脅かす。

書いた人: 柳楽 馨

第14回: ゆりかごを揺らす獄吏の手 5

『ピストルズ』では監禁から育成への転換が十分に果たされなかった。

書いた人: 柳楽 馨

第13回: ゆりかごを揺らす獄吏の手 4

しかし、女性やトランスジェンダーだけが複数の名をもつわけではない。

書いた人: 柳楽 馨

第12回: ゆりかごを揺らす獄吏の手 3

『ピストルズ』の菖蒲家は、自らの秘術で引き起こされた暴力を償おうとする。

書いた人: 柳楽 馨

第11回: ゆりかごを揺らす獄吏の手 2

この文脈では、『ピストルズ』の吾川捷子(みずきの母)による監禁に注意を促したい。

書いた人: 柳楽 馨

第10回: ゆりかごを揺らす獄吏の手 1

『シンセミア』で、監禁は「毛髪」に結びついている。

書いた人: 柳楽 馨