裏切り者へ愛をこめて:阿部和重論
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裏切り者へ愛をこめて:阿部和重論

by: 柳楽 馨

阿部和重に芥川賞をもたらした『グランド・フィナーレ』の宣伝文句を、私はよく覚えている。「文学が、ようやく阿部和重に追いついた」。しかし、「批評」が阿部に追いついていない。
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第1回 : はじめに

阿部和重に芥川賞をもたらした『グランド・フィナーレ』の宣伝文句を、私はよく覚えている。

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第2回 : 帰ってきた阿部和重 1

二〇〇〇年七月、神町での殺人事件から『シンセミア』の物語は動きだす。

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第3回 : 帰ってきた阿部和重 2

この謎を解明するため、デビュー作『アメリカの夜』にさかのぼり、阿部作品での言葉の性質を確認しておこう。

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第4回 : 帰ってきた阿部和重 3

こうした言葉と真実との関係を考慮すれば、『ピストルズ』の「ひみつ」が見抜ける。

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第5回 : 帰ってきた阿部和重 4

この同一平面の違いが、『ピストルズ』から『Orga(ni)sm』への変化に対応する。

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第6回 : 監禁者たちもまた監禁される 1

漢語・擬音語が多用される『シンセミア』の解釈を、もうひとつ上の段階に押し上げよう。

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第7回 : 監禁者たちもまた監禁される 2

「暴露」についてはどうか。

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第8回 : 監禁者たちもまた監禁される 3

小児性愛者の沢見克実が菖蒲みずきの秘術にかかり、会えなくなってしまった一人娘への思いを白状させられる場面は、やや事情が異なる。

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第9回 : 監禁者たちもまた監禁される 4

SNS等で不用意に情報を拡散すると、時に名誉棄損にもなることくらい誰でも知っている。

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第10回 : ゆりかごを揺らす獄吏の手 1

『シンセミア』で、監禁は「毛髪」に結びついている。

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@KaoruYagira@ezdog.press

英米文学研究者。『小説トリッパー』2022年夏号「今もかならず、どこかに春が」でデビュー。関西在住の文学研究者・大学教員。