特集: スラップスティック!

支離滅裂な大騒ぎを集めました。

吉里吉里人

医学立国、農業立国、好色立国を掲げ、東北の一寒村が突如日本から分離独立した! SF、パロディ、ブラックユーモア、コミック仕立て、小説のあらゆる面白さ、言葉の魅力を満載した記念碑的巨編。
ある六月上旬の早朝、上野発青森行急行「十和田3号」を一ノ関近くの赤壁で緊急停車させた男たちがいた。「あんだ旅券りょげんってだが」。実にこの日午前六時、東北の一寒村吉里吉里国は突如日本からの分離独立を宣言したのだった。政治に、経済に、農業に医学に言語に……大国日本のかかえる問題を鮮やかに撃つ、おかしくも感動的な新国家。日本SF大賞、読売文学賞受賞作。

読んだ人: 杜 昌彦

お薦め!

ぼくたちの好きな戦争

東京下町の和菓子屋一家にとっての戦争を生き生きと描き出しながら、パロディ、ギャグ、デフォルメ、誇張、戯画化、諷刺、近未来小説その他、あらゆる手法を駆使して、戦争と日本人を乾いた笑いで描破する。〈小林信彦的世界〉の集大成。

読んだ人: 杜 昌彦

お薦め!

バラクーダ・スカイ

¥2,288

『☆』で読書家の話題をさらったインディ文学の巨匠、イシュマエル・ノヴォーク最新長篇!
ヴェトナムの悪夢から大麻とおふざけに逃避する作家、ジェイクは腐れ縁の元恋人ステイシーから実家に帰る話を切り出され、無関心を装いながらも落ち着かない。偉大な父を追うあまり家庭を顧みないテキサスの保安官代理、エミールは失敗した結婚から逃げるように無茶をやり、妻ばかりか息子の愛まで失いかねない有様。護送中に逃亡した囚人を追い、カリフォルニアを訪れたエミールは傷心のステイシーと出逢う。一方、クラブを焼かれたギャングが落とし前をつけるべく囚人に刺客を差し向け、不運にもジェイクは騒動に巻き込まれる……。人生を繋ぎ止めるために作家は書き、保安官はレンジャーになることに固執する。男らしさに翻弄されるふたりの人生が、虹色スペクトルのパレードで交差する!! 80年代カリフォルニアを舞台に展開されるオフビートな物語。

読んだ人: 杜 昌彦

お薦め!

インフィニット・ジェスト

過去に夢見られた未来。中毒者更生施設エネットハウスの住民と、その近所のエンフィールドテニスアカデミーの学生は、視聴者を耽溺させ発狂に至らしめる映画『インフィニット・ジェスト』、及びそれを生み出した家庭の歴史を巡る謀略に巻き込まれる……世界的ベストセラー、本邦初訳成る!

読んだ人: 杜 昌彦

お薦め!

¥2,640

『コロナの時代の愛』の鬼才、イシュマエル・ノヴォーク待望の最新長編!
ウォルマートのレジ係、マーガレット・ホットフィールドは一ヶ月前に母を亡くして天涯孤独。ある昼下がり、アパートを訪れた弁護士に、逢ったこともない父の存在を告げられた。1971年にパリのアパートで客死した伝説のロックバンド〈パーセプション〉の歌手、ダグラス・ハイドパークの血をマーガレットが受け継いでいるというのだ。運命に導かれるがごとく契約書に署名した彼女は、ヌンチャクを手にしたトンボ眼鏡のアフロファンキーDJ、全裸で空から降ってきたプレスリーのそっくりさん、写真家にして弁護士のトランスジェンダーといった奇妙な仲間たちと珍道中を繰り広げながら、血と音楽のルーツを求めて冒険の旅に出る……70年代にオーバードーズで死んだ伝説のロック歌手を巡る、抱腹絶倒、ワチャワチャでハチャメチャなドタバタ劇!

読んだ人: 28(にわ)

ギャンブラーが多すぎる

30代のしがないタクシー運転手のチェットは大のギャンブル好き。偶然乗り合わせた客から競馬の勝ち馬情報を入手し、馴染みのノミ屋トミーに35ドル渡したところ、情報が的中。配当金を受け取りに意気揚々とトミーを訪ねると、ノミ屋は胸に銃弾を浴びて殺されていた。どうやら複雑な事情が絡んでいるらしく被害者が関わっていた二つのギャング組織から追われることになったチェットは、トミーの妹と協力して事件の真相を探ることに――。手に汗握るスリリングな逃亡劇、全員集合のドタバタ大騒動、ロマンス、一同集めてのクリスティーばりの犯人当てと、ミステリー全盛の時代の軽妙洒脱な世界がここに。リチャード・スターク名義の悪党パーカー・シリーズ、大泥棒ドートマンダー・シリーズで知られる、米国ミステリー界の重鎮による幻の逸品。本邦初訳。

読んだ人: 杜 昌彦

お薦め!

愚か者同盟

1960年代ニューオーリンズ。肥満の30歳無職イグネイシャスは、母が車で他人の家に突っ込んで多額の借金をこさえ、その返済のためしぶしぶ就活を始める。潰れかけのアパレル工場、次いで零細ホットドッグ移動販売業者で職を得るが、仕事を放り出してデモを扇動したり、ホットドッグをつまみ食いした挙句に他人に屋台を押し付けて映画に出かけたりするなど、好き勝手やり放題。警察に追われるようになったイグネイシャスは、一癖も二癖もある奇人変人たちを巻き込んだり巻き込まれたりしながら逃亡劇を繰り広げ、ニューオーリンズの街に大騒動を巻き起こす――!!! デヴィッド・ボウイも愛読した、全世界200万部超のロングセラー&1981年度ピュリツァー賞受賞作。

読んだ人: 杜 昌彦

忙しい死体

ギャングのエンジェルはボスに命令されて、墓に埋葬された仲間の死体を掘り返しに行った。どうやら25万ドル相当のヘロインを身につけたまま埋められたらしいのだ。だが、死体は墓から忽然と消えていた!死体を追って奔走するエンジェルの行く手に、謎の女や警官が立ちはだかる。それぞれの思惑が入り乱れて…。ウェストレイク初訳長編のユーモアミステリ。

読んだ人: 杜 昌彦

お薦め!

重力の

世界文学史上に空前の伝説を刻んだ33万語、100万字超の巨篇――新訳成る! 耳をつんざく叫びとともに、V2ロケット爆弾が空を切り裂き飛んでくる。ロンドン、一九四四年。情報局から調査の命を受けたスロースロップ中尉は――。 ピューリッツァー賞が「卑猥」「通読不能」と審査を拒否した超危険作にして、今なお現代文学の最先端に屹立する金字塔がついに新訳。

読んだ人: 杜 昌彦

お薦め!

ヴァーノン・ゴッド・リトル―死をめぐる21世紀の喜劇

コロンバイン高校の銃乱射事件からヒントを得たらしい高校での大量殺人を背景に、15歳の少年が国境を越えて逃げ回る。痛快無類な文体で、現代アメリカを黒い笑いの連打で駆け抜ける! 賛否両論まっぷたつ、ブッカー賞受賞の大問題作ついに刊行。

読んだ人: 杜 昌彦

お薦め!

JR

11歳の少年JRが巨大コングロマリットを立ち上げて株式市場に参入、世界経済に大波乱を巻き起こす!? ミステリ作家・殊能将之も熱讃した、世界文学史上の超弩級最高傑作×爆笑必至の金融ブラックコメディがついに奇跡的邦訳!! 第27回全米図書賞受賞作。

読んだ人: 杜 昌彦

お薦め!

ぼっちの帝国

¥2,288

「正しさ」の押しつけは、もういらない。
コールセンター勤務の明日香はささいな揉めごとから28歳にして無職に。彼氏のはずの年下男にはほかに彼女がいて、アパートは取り壊され帰る場所もない。ひょんなことから昭和モダン建築アパートの住み込み管理人となった明日香だが……。笑いあり涙ありアクションあり、殺人事件からカーチェイスまで全部入り。生きづらさを抱えるすべてのひとに贈る、爆笑と鬱の恋愛エンターテインメント小説!(2019年作)

読んだ人: 一夜文庫

文学会議

奔放なウィットと想像力の炸裂する、アルゼンチン作家の衝撃作。小説家でマッド・サイエンティストの〈私〉は、文学会議に出席する文豪のクローンを作製しようと企む。しかし小さな手違いから大惨事が――。奇想天外な表題作のほか「マオとレーニン」というパンク少女たちと街角で出会った〈私〉がスーパーを襲撃するまでを描く「試練」を併録。世界的名声を誇る作家による、渾身の2篇。

読んだ人: 杜 昌彦

踊る黄金像

南米から密輸されてきた百万ドルの黄金像がちょっとした手違いから十五体の模造品にまぎれこみ、ニューヨーク中にばらまかれてしまった。一獲千金をめざす悪党たちが次から次へと登場し、一大争奪戦が始まるが――マルクス兄弟のパワーを凌ぐ究極のスラップスティック大作。

読んだ人: 杜 昌彦

地下鉄のザジ

ロラン・バルトに「攻撃的なクノーの作品は、『文学』のおそるべき『成虫』を包み込んでいる」と言わしめた『地下鉄のザジ』。オカマバーで踊り子をしている大男ガブリエル伯父さんに、時にはお巡り、時には名探偵に姿を変えるペドロ、見境なく恋に落ちるムアック未亡人など、ユーモア溢れる登場人物たちと、破壊力あふれる言葉たちが作り出す、おかしな冒険小説。

読んだ人: 杜 昌彦

バナナ

お金持ちの台湾華僑の息子、龍馬は車が欲しい大学生、そのガールフレンド、サキ子はシャンソン歌手としてデビューしたいが、青果仲買人の父の許しが得られない。そんな二人の夢を叶えるのはバナナ?ひょんなことからバナナの輸入で金儲けをすることになったのだが、そこへ周囲の思惑が絡み、物語は意外な方向へ!テンポの良い展開に目が離せないドタバタ青春物語。

読んだ人: 杜 昌彦

スラップスティック

ある日突然どういうわけか地球の重力が強くなり、そこへまた緑死病なる奇病まで発生して世界は無秩序、大混乱! アメリカ合衆国もいまや群雄割拠、ミシガン国王やオクラホマ公爵が勝手放題をしている始末。ジャングルと化したマンハッタンの廃墟では、史上最後の合衆国大統領が手記を書きつづる--愚かしくもけなげな人間たちが演ずるドタバタ喜劇、スラップスティックの顛末を……涙と笑いとハイホーに満ちた傑作長篇

読んだ人: 杜 昌彦

プレイヤー・ピアノ

すべての生産手段が完璧に自動化され、すべての人間の運命がパンチ・カードによって決定される世界…ピアニストの指を拒絶し、あくことなく自動演奏をつづけるプレイヤー・ピアノの世界を描く本書は、『1984年』と『不思議の国のアリス』とのはざまの不可思議な文学空間を生みだした。アメリカ文学の巨匠として熱狂的な支持を受けているヴォネガットが、現代文明の行方をブラックな笑いのうちにつづった傑作処女長篇。

読んだ人: 杜 昌彦

ヴァインランド

1984年、夏。別れた妻をいまだ忘れられぬゾイド・ホイーラーは、今年もヴァインランドの町で生活保護目当てに窓ガラスへと突撃する。金もなく、身動きもならず、たゆたうだけの日々。娘のプレーリーはすでに14歳、60年代のあの熱く激しい季節から、どれほど遠くまで来てしまったことか―。だが、日常は過去の亡霊の登場で一変する。昔なじみの麻薬捜査官が示唆したあの闇の男、異様なまでの権能を誇り、かつて妻を、母を、奪い去ったあの男の、再びの蠢動。失われた母を求める少女の、封印された“時”をめぐる旅が始まった。超ポップなのに、この破壊力。作品の真価を示す改訳決定版。

読んだ人: 杜 昌彦

リトル・シスター

「行方不明の兄オリンを探してほしい」私立探偵フィリップ・マーロウの事務所を訪れたオーファメイと名乗る若い娘は、二十ドルを握りしめてそう告げた。マーロウは娘のいわくありげな態度に惹かれて依頼を引き受ける。しかし、調査をはじめた彼の行く先々で、アイスピックで首のうしろをひと刺しされた死体が…。謎が謎を呼ぶ殺人事件は、やがてマーロウを欲望渦巻くハリウッドの裏通りへと誘う。『かわいい女』新訳版。

読んだ人: 杜 昌彦

パンク、ハリウッドを行く

呑んだくれ詩人である著者の分身・チナスキーが、ハリウッドで映画作りのまっただ中へ…。赤裸々な自己の人生を重ね合わせた、破天荒で奇抜、軽妙にして含羞に富む映画製作物語。

読んだ人: 杜 昌彦

胡椒息子

牟礼家の次男、昌二郎は12歳。気が優しくて曲ったことが大嫌いなのだが、家族から邪魔者扱いされるので反発して悪戯ばかり。味方は、婆やのお民だけ。ある日、誤解と行き違いから異母兄と喧嘩して大怪我をさせてしまい感化院へ…。しかし、そこで出会った友達との生活で本来の気性を取り戻していく。小粒だがぴりっとしたまるで“胡椒”みたいな少年の成長物語。

読んだ人: 杜 昌彦

コーヒーと恋愛

まだテレビが新しかった頃、お茶の間の人気女優 坂井モエ子43歳はコーヒーを淹れさせればピカイチ。そのコーヒーが縁で演劇に情熱を注ぐベンちゃんと仲睦まじい生活が続くはずが、突然“生活革命”を宣言し若い女優の元へ去ってしまう。悲嘆に暮れるモエ子はコーヒー愛好家の友人に相談……ドタバタ劇が始まる。人間味溢れる人々が織りなす軽妙な恋愛ユーモア小説。

読んだ人: 杜 昌彦

七時間半

東京―大阪間が七時間半かかっていた頃、特急列車「ちどり」を舞台にしたドタバタ劇。給仕係の藤倉サヨ子と食堂車コックの矢板喜一の恋のゆくえ、それに横槍を入れる美人乗務員、今出川有女子と彼女を射止めようと奔走する大阪商人、岸和田社長や大学院生の甲賀恭男とその母親。さらには総理大臣を乗せたこの列車に爆弾が仕掛けられているという噂まで駆け巡る!

読んだ人: 杜 昌彦

自由学校

戦後の日本にやってきた“自由”という価値観は、人々の暮らしや風俗、男女の恋愛観までも一転させてしまう。それは、しっかり者の妻とぐうたら亭主の夫婦にもこれまでの仲を揺るがすような大喧嘩をもたらす……。戦後の東京を舞台にある夫婦のドタバタ劇を軽妙な語り口で描きながら、痛烈な社会風刺も込めた獅子文六のあらゆる魅力が凝縮した代表作が遂に復刊!

読んだ人: 杜 昌彦

悦ちゃん

悦ちゃんはお転婆でおませな10歳の女の子。ちょっぴり口が悪いのはご愛嬌、歌がとても上手で、周りのみんなも目が離せない存在。早くに母親を亡くして、のんびり屋の父親と二人で暮らしているが、そこへ突如、再婚話が持ち上がったから、さあ大変。持ち前の行動力で東京中を奔走、周囲を巻き込みながら最後には驚きの事件が! ユーモアと愛情に満ちた初期代表作。

読んだ人: 杜 昌彦

ロデリック:(または若き機械の教育)

捨てられてしまった幼いロボット「ロデリック」の冒険を描く、スラップスティックなコミック・ノベル! 20世紀最後の天才作家スラデックが遺した、究極のロボットSFがついに邦訳。

読んだ人: 杜 昌彦

ビビビ・ビ・バップ

「僕の葬式でピアノを弾いて頂きたいんです」それがすべての始まりだった。電脳内で生き続ける命、アンドロイドとの白熱のジャズセッション。大山康晴十五世名人アンドロイドの謎、天才工学少女、迫り来る電脳ウィルス大感染…。平成の新宿から近未来の南アフリカまで、AI社会を活写し、時空を超えて軽やかに奏でられるエンタテインメント近未来小説!

読んだ人: 杜 昌彦

お薦め!

青春怪談

美男子で合理主義の青年、宇都宮慎一は商売で店を持つことにのめり込み、その婚約者、奥村千春はバレエの道を邁進している。二人には、早くに伴侶を亡くした親がおり、ある時、親同士をくっつけてしまおうと画策するが……。一方でつかず離れずの関係を続ける慎一と千春をうらやむ周囲の人間から、仲を引き裂こうと怪文書が届き、この二人にもドタバタ劇が訪れる!

読んだ人: 杜 昌彦

てんやわんや

臆病で気は小さいが憎めない犬丸順吉は、太平洋戦争直後、戦犯を恐れた社長の密命により四国へ身を隠す任務を与えられる。そこには荒廃した東京にはない豊かな自然があり、地元の名士に食客として厚遇を受けながら夢のような生活が待っていた。個性豊かな住民たちと織りなす笑いあり恋ありのドタバタ生活はどんな結末を迎えるか……。昭和を代表するユーモア小説。

読んだ人: 杜 昌彦