一夜文庫

夜の雑記帖

寝る前に綴った泡のような言葉です。

第26回: 虫愛で過ぎる姫君~後編~

前編はこちら 【前回のあらすじ】 ゼミの研修旅行で一緒になった同期のカマキリちゃんは、虫が好きすぎるあまり芋虫を素手で捕まえそのまま持ち歩きはじめた。怯える芋虫! もっと怯える人類! 芋虫と人間、種族を超えて共にする旅の […]

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第25回: 虫愛で過ぎる姫君~前編~

文系ですか理系ですか? という質問に上手く答えられない。私は数学というか算数のことを考えただけで頭痛がしてくるタイプの人間だ。だが大学は理系の学部を選んだ。文系に進んだところで凡人の自分には将来の展望が見えなかったのと、 […]

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第24回: 陰気な美容師

むかし通っていた美容室の私の担当者は、それはそれは陰気だった。 そもそもその美容室からして雰囲気が暗かった。見た目は綺麗なオシャレな店で、パステルカラー調の柔らかな黄色やオレンジを多用した内装に暖色の明るい照明で、入りや […]

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第23回: 散歩と歌と

ひさしぶりに、何の用もないのに通勤帰りに途中下車した。「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う。」とは內田百閒先生の『阿房列車』の書き出しで、何度読んでもいいなぁと思うけれど、私の放浪癖は百閒先生 […]

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第22回: 異境の一ツ星グルメ

以前書いた私の唯一の特技「全然知らない街を適当に歩いて良い本屋にたどり着く」は今日も健在で、私の脳についている本屋探知レーダーは今日も元気に稼働しているが、かつて私にはもうひとつ便利なレーダーがついていた。美味しいお店を […]

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第21回: 異次元カラオケ

たまにしか行かないけれど一人カラオケが好きだ。 仕事の帰りに行きたくなった時に小一時間ほど寄る店は老舗チェーンの歌広場で、大きなターミナル駅のちょっとさびれたほうの出口を出た少し先にあって、キャバクラの呼び込みの黒服のお […]

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第20回: 幸福な家族

正月に妹一家が帰省してしばらく滞在していた。両親と私の住む実家に、妹はときどき子どもを連れて帰ってくる。それは仕事を休めないが保育園が休みの時などで、要はじーじばーばを託児所代わりにしているわけだが、じーじばーばは大喜び […]

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第19回: はじっこ天国

すみっこやはじっこやフチやヘリがすきだ。食パンもかまぼこも韓国のり巻きも漬物も切り分けられたはじっこがすきだし、道を歩く時もどんなに空いていてもはじっこを歩くし、室内でも壁を背にしてはじっこにいると落ち着く。電車の座席の […]

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第18回: クリスマス舞踏会

クリスマスですか……クリスマスですね、えぇ……。皆さんさぞかし楽しんでいらっしゃることでしょうとも。私ですか? 私はもちろん……仕事ですよこんちくしょー! クリスマスでも、というかクリスマスだからこそ仕事を休めない人種が […]

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第17回: 寝かせてくれない彼

昔、渋谷の代々木公園の近くで働いていたことがある。コロナ後の今はどうか分からないが、あそこは変な場所だった。昼間に行くとジャンベやアコギを持ち込んで練習してる人だのダンスの振り付けに余念のないアイドルの卵だのがゴロゴロし […]

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