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cloud9
CLOUD 9
by: 杜 昌彦
AIがひとびとの行動を操り戦争へと駆り立てる未来。過去の遺伝情報から再現された逃亡兵のMはひょんなことから1960年のハンブルクへ。のちに音楽で世界を救うことになる不良少年たちに出逢う。敵に捕らえられたMは命と引き換えにかれらの解散を防ぐ使命を与えられる。世界滅亡を望む勢力からMはかれらを守り通すことができるのか——? だれもが一度は夢想しながら書かれることのなかったSFエスピオナージュ!
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人格OverDrive
特集: あなた自身であるために, 信頼できない語り手, 法螺話, 悪党たちの物語, 戦争, 書かれなかった物語, ジェンダーを考える, 人格OverDriveの本, 連載作品, 『インフィニット・ジェスト』の次にはこれを読め!
第4話 : Get Off Of My Cloud(1)
僕は歴史家としては落第だ。Mが真顔で語った話をLSDの戯言たわごとと思い、聞き流してしまった。この章で語ることはずっと後になってオルダス・ハクスリーの小説を読んだり、のちのカリフォルニア州知事が出ている映画を観たりして […]
2024年9月13日
第3話 : Born on a Different Cloud(3)
PとGがいうように不審者を実際に見たやつも、実際に見たやつを実際に知っているやつもいなかった。街はずれのあの建物には幽霊が出るらしいとか、ネス湖の怪物とかUFOといった類いのくだらない噂にすぎず、だれひとり本気にはして […]
2024年9月6日
第2話 : Born on a Different Cloud(2)
母は成熟した女性や保護者というよりも、どちらかといえば映画や音楽や踊りを教えてくれる歳上の女性といった風だった。悪い遊びを憶えた甥が、躍起となって社会常識を教え込もうとする伯母から逃げ込むには、母の家はぴったりの隠れ家 […]
2024年8月30日
第1話 : Born on a Different Cloud(1)
僕の家系は先祖代々の嘘つきだ。大法螺を吹いて他人を笑わすのが大好きで、日々の挨拶でさえ話を盛らずにはいられない。芸術と辛辣な冗談を愛する母方の血かもしれないし、酔っ払いの船乗りだった父方のせいかもしれない。この僕にして […]
2024年8月23日
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