ぼっちの帝国
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ぼっちの帝国

愛さえ諦めれば人生はどうにかなる。

コールセンター勤務の明日香はささいな揉めごとから28歳にして無職に。彼氏だと思っていた年下男にはほかに彼女がいて、アパートは取り壊され帰る場所もない。ひょんなことから昭和モダン建築アパートの住み込み管理人となった彼女だが……待ち受けていたのは奇妙なおっさんたちだった! 笑いあり涙ありアクションあり、殺人事件からカーチェイスまで全部入り。生涯未婚率23.4%時代の恋愛エンターテインメント小説!

¥ 480
出版社:人格OverDrive
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著者:杜 昌彦

(1975年6月18日 -)著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、藤井太洋氏、十市社氏らによる指導を受けた『悪魔とドライヴ』が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。最新作は『ぼっちの帝国』。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。

ぼっちの帝国

元ネタは映画『フィッシャー・キング』と『ドリーム・チーム』です。制作時期がわずか一年違い。なぜか筋立ても「旅立てジャック」が登場するところも似ています。どちらも大好きな映画です。ほかにもドラマ『シリコンバレー』やこの五年ほどのあいだに読み込んだ大量の少女漫画を参考にしています。自分なりのジェンダー論でもあります。ドラマ『結婚できない男』も参考にしたのですが、これはつい最近続編が制作されて、Gyao! で視聴したところあまりのひどさにがっかりしました。#MeTooやTime’s Up以降の作品とはとても思えない。あれが現代のこの国が求める「わかりやすさ」なのでしょうね。二話の前半で見るのをやめました。そういうことじゃないだろうと思いました。じゃあどういうことかという答えがこの本です。ヒロインに家政婦まがいの仕事をさせるのには葛藤がありましたが、よく考えると男だろうと女だろうとゲイだろうと家事が好きな人間はいるわけだし、愛を口実として強制される感情労働ではなく、対価の発生する商売としての家事なら真剣に打ち込めるひとは多いのではないかと思い直しました。見かけ上ジェンダーロールの押しつけを容認するかのような設定を使う代わりに、家事労働が自己実現の手段になる必然は明示するよう心がけました。書いているあいだずっと60年代英国の音楽とBob Dylanを聴いていました。このような表紙になったのはそれが理由です。あとなんか『虞美人草』っぽい話ですね。書いてるあいだはそんなつもりは微塵もなかったんですが。車の話が出てくるんですがおれ免許持ってないんですよ。発達性協調運動障害だから。だれも殺したくないし事故死もご免なので。車種は「ヤンキー 車」「見栄っぱり スポーツカー」で検索して決めました。書名は村田基『フェミニズムの帝国』から。電子版にはどんな話かわかるように妥協してださいサブタイトルをつけたのですが、ペイパーバック版でサブタイトルの入力項目がなかったため別の本として扱われ、リンクが生成されなかったので削除しました。生涯未婚率がどうとかいう紹介文もまた「わかりやすさ」に配慮した妥協です。正直七割以上の男が結婚するほうが異常だと思うし、女性の未婚率と釣り合いがとれていないのは差別のあらわれに感じます(男よりも多くの女が結婚させられ、さらにその大半が子どもを産まされ家族の面倒を見させられるという意味で)。映画『ガタカ』に登場するような心身共に完璧な男女だけが家族をつくればいいと思うんです。そうなればすべての子どもは豊かな家庭で愛されて育ち、いびつな人間はいなくなって飢えも争いもなくなり、病さえも激減して、世界はずっとよくなるでしょう。発達障害かつ人格障害かつ精神障害の両親に虐待されて育った発達障害当事者(複数の医師の診断によれば人格障害と精神障害は遺伝しなかったらしい)として本気でそう信じています。他人にその考えを強制したらナチや1996年までの日本のような優生思想になりますが、自分自身の人生にのみ適用するかぎりにおいては正しい選択でした。作中にも書きましたが、相模原障害者施設殺傷事件の加害者は彼自身の考えに従えば、だれよりもまず先に「淘汰」されるべき個体でありました。そのことをなぜ認識できなかったのか、なぜ優れた側だと錯覚したのか。その自己愛こそが彼のような偏執者とわれわれボッチーズ的な「おっさん」とを分け隔てています。社会的能力に障害のある人間が、他人と関わらぬことで遺伝的欠陥を次世代に伝えず、だれも傷つけず、そのようにしてのみ社会に貢献できる人生を、いかに充実させるか。砕けた言葉でいえばキモくて金のないおじさんライフをいかにエンジョイするか。ウェブサイトにすべきか小説にすべきか迷って結局、こうなりました。作中でウェブサービスの話が出てくるのはそのなごりです。botchなる英単語を先日知りました。発音もまんま「ぼっち」で意味は「できそこない」、複数形はbotches。本書にはアイがあるので異なります、という愉快なオチでございます。


(もり まさひこ、1975年6月18日 -)著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、藤井太洋氏、十市社氏らによる指導を受けた『悪魔とドライヴ』が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。最新作は『ぼっちの帝国』。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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