『SPY/ スパイ』 をみた。 すっごくおもしろかった! 実際には有能なのに、 「おまえにはできない」 といわれて育ち、 職場でも惚れた男からそのように信じ込まされて内勤をしていた主人公が、 ずっと支えてきた彼のミスを補うために体をはった仕事にまわされ、 無能なのにマッチョを誇示する別の男に溜息をつきつつ、 悪党たちを敵にまわして大活躍する話。 配役がまた絶妙。 内助の功でしか女を評価しないイケメンにジュード・ロウ、 マッチョ男にジェイソン・ステイサム。 自分が演じてきたイメージを茶化すような役を厭味なく演じる彼らはすごい。 何よりも主人公役メリッサ・マッカーシーの魅力にやられた。 知的でチャーミングでパワフル。 最高! 悪党たちも楽しげに演じていて、 アクション映画はこうでなくちゃと思った。 こんな楽しい映画が日本ではビデオスルーだったのが信じられない。
その前には 『コードネーム U.N.C.L.E.』 を観た。 このところスパイ映画ばかり観ている。 たぶん iTunes がスパイ映画推しなんだと思う。 iTunes は Amazon とちがって棚づくり的な編集がうまい。 Amazon はおそらく極力、 人間の手を入れずに経済効率を最大化する表示に特化している。 コンテンツを扱う二大 IT 企業でありながら方針が真逆なのはおもしろい。 『コードネーム U.N.C.L.E.』 もなかなかの傑作だったけれども、 『SPY/ スパイ』 のあとで思い返そうとしてみると、 どうも薄ぼんやりとした印象しかない。 高級スーツをセクシーに着こなすイケメンと PTSD による癇癪もちのイケメンがはりあいながらかっこよく活躍する話。 というだけですべて言い尽くせる気がする。 なんのリメイクだっけ、 ああ 『0011 ナポレオン・ソロ』 か。 『それ行けスマート』 は 『ゲット スマート』 だ。 『ゲット スマート』 は 『SPY/ スパイ』 同様に 「面が割れてないから」 という理由で内勤担当が⋯⋯という話なんだけど好みじゃなかった。 喜劇というよりもおふざけという感じがした。 おふざけスパイ映画でも 『ズーランダー』 なんかは大好きなんだけど。 似たような映画にもうひとつ言及しようとしたけどなんだったか忘れた。
これまで映画にせよ小説にせよスパイものは敬遠してきた。 政治に関心がないと愉しめないような気がしたのと、 発想が古くさいような印象があったので。 食わず嫌いだったかもしれない。 ギャビン・ライアルも 70 年代までの航空ものが大好きで 80 年代以降はまったく手をつけていない。 読んでみようかな。 これまでに読んだスパイものでもっともおもしろかったのはゴンザーロ・ライラ 『アクロバット』 だった。 大変な傑作なのに評価されずに忘れられているのが惜しい。