柳楽 馨

@KaoruYagira@ezdog.press
英米文学研究者。『小説トリッパー』2022年夏号「今もかならず、どこかに春が」でデビュー。関西在住の文学研究者・大学教員。
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目に映らない愚か者

研究者であるための必要条件は、批評家であることの十分条件ではない。今日、批評は大学に対して微妙な距離を保ちにくくなっている。こうした「自由」な学問によって見え難くなる権力こそ、今日の「批評」の標的となる……『裏切り者へ愛をこめて:阿部和重論』で反響を呼んだ『インフィニット・ジェスト』翻訳者、柳楽馨による批評の批評。

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裏切り者へ愛をこめて:阿部和重論

阿部和重に芥川賞をもたらした『グランド・フィナーレ』の宣伝文句を、私はよく覚えている。「文学が、ようやく阿部和重に追いついた」。しかし、「批評」が阿部に追いついていない。

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デヴィッド・フォスター・ウォレス『インフィニット・ジェスト』翻訳日誌

アメリカの作家デヴィッド・フォスター・ウォレスは、私がその名前を耳にしたとき既に死者だった。そのとき私が考えていたのは、たぶん、私には一生いわゆる「小説」は書けないだろうが、それでも小説を離れて生きることもできないだろうということだった……。大長編『インフィニット・ジェスト』(Infinite Jest, 1996)の翻訳を巡る思考の冒険。