上野瞭

1928年8月16日 - 2002年1月27日
日本の児童文学作家。1983年『ひげよ、さらば』はチャールズ・ブロンソンの『さらば友よ』から着想したハードボイルド仕立ての作品で、日本児童文学者協会賞を受賞、NHKで人形劇化された。『砂の上のロビンソン』は映画・舞台・TVドラマ化され、『アリスの穴の中で』は第3回山本周五郎賞の候補作に残るなど、一般小説でも高い評価を受けた。

ひげよ、さらば

ある日突然記憶を失った猫のヨゴロウザ。たどりついた所はナナツカマツカの丘と呼ばれる小さな山の中。一癖も二癖もある猫たちが喧嘩ばかりしながら暮らしている。おりしも、“タレミミ”率いる野良犬の集団と猫たちが、縄張りをめぐって一触即発の不穏な空気。「猫族は団結して野良犬軍団に立ち向かわねばならない。リーダーはお前だ!」夢と冒険に満ちた壮大な物語はこうして始まる―。