ビューティフル・デイ
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ビューティフル・デイ

元海兵隊員のジョーは、売春を強要されている少女や女性の救出を生業とするフリーランサーだ。ある時、仲介役のマクリアリーから、誘拐された上院議員の娘を助ける仕事が回ってきた。娘が娼館に閉じ込められているという情報を得たジョーは、現場へと急行するが背後には穢らわしい陰謀が―。ホアキン・フェニックス主演、リン・ラムジー監督で映画化!カンヌ国際映画祭2冠!気鋭の作家による傑作ノワール・スリラー。

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著者:ジョナサン・エイムズ

(1964年3月23日-)米国の作家、TVプロデューサー。小説「ジ・エクストラ・マン/The Extra Man」はケヴィン・クラインとポール・ダノ出演で10年に映画化された。グッゲンハイム奨励金を授与された経験を持つ。

ジョナサン・エイムズの本
2018.
05.27Sun

ビューティフル・デイ

映画原作として便乗出版された薄っぺらな小説。ピンチョン原作の探偵映画に出ていた役者と、映画の内容紹介、「本当はここにはいなかった」という書名の三点に惹かれて読みはじめた。ほんとはこういうのはKindle版がいいんだけどなぁ、と思いながら、まだ出ていなかったので印刷版を買った。本国では最初はやはり電子版で出版されたらしい。「本当はここにはいなかった」というのは人身売買された少女のことかと思ったのだけれど(別の人生を生きていたはずだ、という意味で)、この世に生を受けるべきではなかった、と感じさせられている主人公のことだった。国際的に人身売買が大きな問題とされているにもかかわらず国内ではたいした問題とされない国に暮らす人間としては、大いに関心を持って読んだ。結論からいえば「えっこれだけ?」という感じだった。プロットが人間を語るための口実にすぎないノワールというジャンルにおいて、とりあえずのプロットだけが語られた印象で、主人公はまぁそこそこちゃんと書かれているけれど、肝心の被害者は道具立てにすぎず、はかない影のように感じさせられる。虐殺を夢想した主人公が倒した敵の止血をしてやったりするおもしろ描写にも必然性がない。普通はとぼけたユーモアを感じさせたり、あるいは主人公の心理を描くための見せ方だったりするものだけれど、短すぎて意図がよくわからない。なんかもうちょっとどうにかなるんじゃないの、と思わされる。おそらくその食い足りなさが監督に脚本を書かせたのだろう。短いなら短いなりに簡潔で無駄のない、研ぎ澄まされた鋭さを感じたかった。


杜 昌彦

(もり まさひこ、1975年6月18日 -)著者、出版者。硬質な文体と独創的な物語で知られる。作風はアヴァン・ポップ、スリップストリーム、スペキュレイティブ・フィクションに分類される。2010年から別名義で活動。2013年日本電子出版協会(JEPA )主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、藤井太洋氏、十市社氏らによる指導を受けた『悪魔とドライヴ』が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。

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