重力が衰えるとき
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重力が衰えるとき

おれの名はマリード。アラブの犯罪都市ブーダイーンの一匹狼。小づかい稼ぎに探偵仕事も引きうける。今日もロシア人の男から、行方不明の息子を捜せという依頼。それなのに、依頼人が目の前で撃ち殺されちまった!おまけになじみの性転換娼婦の失踪をきっかけに、血まなぐさい風が吹いてきた。街の秩序を脅かす犯人をつかまえなければ、おれも死人の仲間入りか。顔役に命じられて調査に乗りだしたものの、脳みそを改造した敵は、あっさりしっぽを出しちゃくれない。…実力派作家が近未来イスラーム世界を舞台に描く電脳ハードボイルドSF。

著者:ジョージ・アレック・エフィンジャー

(1947年1月10日 - 2002年4月27日)米国の小説家。デビュー作から評価が高くネビュラ賞、ヒューゴー賞、ジョン・W・キャンベル新人賞の候補となる。健康保険に加入していなかったため持病の治療で支払いが滞った。エフィンジャー医療基金などの助けにより病院の訴訟は取り下げられた。

ジョージ・アレック・エフィンジャーの本
2018.
02.28Wed

重力が衰えるとき

登場人物が当然のように携帯電話を使うので、そういうものが存在しなかった当時は意味がよくわかりませんでした。性転換の描写はともかく、ムスリム社会が舞台である理由もよくわかりませんでした。同時多発テロとその後のあれこれで、なるほどそういうことかと気づかされました。ポール・オースター『リヴァイアサン』やスティーヴ・エリクソンの諸作などを読んだときにも思いましたが、見えているひとには見えていたのですね。予定されていた四、五作目を書かずに亡くなったのがとても残念です。ずっと待っていたので死亡記事を読んだときはショックでした。三作目の邦題は『亡命の接吻くちづけ』のほうがよかったと思います。もっと評価されていい作家です。


杜 昌彦

(もり まさひこ、1975年6月18日 -)著者、出版者。硬質な文体と独創的な物語で知られる。作風はアヴァン・ポップ、スリップストリーム、スペキュレイティブ・フィクションに分類される。2010年から別名義で活動。2013年日本電子出版協会(JEPA )主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、藤井太洋氏、十市社氏らによる指導を受けた『悪魔とドライヴ』が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。

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