ヴァインランド
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ヴァインランド

1984年、夏。別れた妻をいまだ忘れられぬゾイド・ホイーラーは、今年もヴァインランドの町で生活保護目当てに窓ガラスへと突撃する。金もなく、身動きもならず、たゆたうだけの日々。娘のプレーリーはすでに14歳、60年代のあの熱く激しい季節から、どれほど遠くまで来てしまったことか―。だが、日常は過去の亡霊の登場で一変する。昔なじみの麻薬捜査官が示唆したあの闇の男、異様なまでの権能を誇り、かつて妻を、母を、奪い去ったあの男の、再びの蠢動。失われた母を求める少女の、封印された“時”をめぐる旅が始まった。超ポップなのに、この破壊力。作品の真価を示す改訳決定版。


¥4,400
新潮社 2011年, 単行本 621頁
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なんでもあり

読んだ人:杜 昌彦

ヴァインランド

まさに衝撃的な出逢いでしたねぇ書くことを本気で悩んでた時期だったから、 「小説ってなんでもありなんだ!と開眼した気分でしたピンチョンってね正直読みにくい妙なことにぜんぜん硬い文章じゃなくてユーモアもあればギャグもあり物語だって漫画的な楽しい発想に満ちてるし奇想天外で起伏に富んでいてスリルありサスペンスありもう確実に娯楽小説なんですよけっして堅苦しいジュンブンガクじゃないなのになんで読みにくいんだろうなぁ⋯⋯でもその読みにくさが変な中毒になるんですよそれがまたおかしい物語からしておかしいしねゴジラとか普通に出てくるしおもしろいのに読むのが苦痛で苦痛なのに夢中になるぜったいおれだけじゃないはずですよピンチョンのファンのかなりの割合がそんなふうに読んでるはず。 『KISS の法則』 『Pの刺激の二作はこの本に影響を受けて書きました前者は親子の話で後者は旧版の装幀に描かれていたブラウン管がモチーフとなりましたほんとおかしいですよピンチョンの魅力はわけがわからない⋯⋯あこの本は普通に読みやすいです内容もキャッチーでとっつきやすいし最初の一冊におすすめ

(2017年09月06日)

(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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トマス・ピンチョン
1937年5月8日 -

現代の米国文学を代表する作家。1990年代以降定期的にノーベル文学賞候補に挙げられている。作品は長大で難解とされるものが多く、SFや科学、TVや音楽などのポップカルチャーから歴史まで極めて幅広い要素が含まれた総合的なポストモダン文学である。

トマス・ピンチョンの本