ヴァインランド
ISBN: 9784105372101

ヴァインランド

1984年、夏。別れた妻をいまだ忘れられぬゾイド・ホイーラーは、今年もヴァインランドの町で生活保護目当てに窓ガラスへと突撃する。金もなく、身動きもならず、たゆたうだけの日々。娘のプレーリーはすでに14歳、60年代のあの熱く激しい季節から、どれほど遠くまで来てしまったことか―。だが、日常は過去の亡霊の登場で一変する。昔なじみの麻薬捜査官が示唆したあの闇の男、異様なまでの権能を誇り、かつて妻を、母を、奪い去ったあの男の、再びの蠢動。失われた母を求める少女の、封印された“時”をめぐる旅が始まった。超ポップなのに、この破壊力。作品の真価を示す改訳決定版。

¥ 4,104
新潮社(単行本: 2011-10-01)
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著者:トマス・ピンチョン

(1937年5月8日 - )現代の米国文学を代表する作家。1990年代以降定期的にノーベル文学賞候補に挙げられている。作品は長大で難解とされるものが多く、SFや科学、TVや音楽などのポップカルチャーから歴史まで極めて幅広い要素が含まれた総合的なポストモダン文学である。

2017.
09.06Wed

ヴァインランド

まさに衝撃的な出逢いでしたねぇ。書くことを本気で悩んでた時期だったから、「小説ってなんでもありなんだ!」と開眼した気分でした。ピンチョンってね、正直読みにくい。妙なことにぜんぜん硬い文章じゃなくて、ユーモアもあればギャグもあり、物語だって漫画的な楽しい発想に満ちてるし、奇想天外で起伏に富んでいて、スリルありサスペンスあり、もう確実に娯楽小説なんですよ。けっして堅苦しいジュンブンガクじゃない。なのになんで読みにくいんだろうなぁ……。でもその読みにくさが変な中毒になるんですよ。それがまたおかしい。物語からしておかしいしね。ゴジラとか普通に出てくるし。おもしろいのに読むのが苦痛で苦痛なのに夢中になる。ぜったいおれだけじゃないはずですよ。ピンチョンのファンのかなりの割合がそんなふうに読んでるはず。『KISSの法則』『Pの刺激』の二作はこの本に影響を受けて書きました。前者は親子の話で後者は、旧版の装幀に描かれていたブラウン管がモチーフとなりました。ほんとおかしいですよ、ピンチョンの魅力は。わけがわからない。……あ、この本は普通に読みやすいです。内容もキャッチーでとっつきやすいし。最初の一冊におすすめ。


(もり まさひこ、1975年6月18日 -)著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、藤井太洋氏、十市社氏らによる指導を受けた『悪魔とドライヴ』が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。最新作は『逆さの月』。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。最新恋愛小説『ぼっちの帝国』連載中。
ぼっちの帝国

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