ここからのアーヴィングはすごいですねぇ。 やはり 『未亡人の一年』 が変節点で、 次の 『第四の手』 でひと息ついて力をたくわえて、 この本で大きく跳躍した感じがします。 大人の文学だと思いました。 おそらく作家として書かねばならなかったもっとも重要な部分があるのだと思います。 日本でも太宰治というひとがおなじ題材ですごい本を書いてますね。
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また会う日まで
by: ジョン・アーヴィング
父ウィリアムは教会のオルガニスト。体じゅうにバッハやヘンデルの楽譜を彫りこんだ刺青コレクターでもあり、弾き応えのあるオルガンと腕のいい彫師に吸い寄せられるように、北欧の港町を転々としていた。母アリスは、幼いジャックの手をひいて、逃げたウィリアムの後を追う。コペンハーゲン、ストックホルム、オスロ、ヘルシンキ、アムステルダム…。街々の教会信徒と刺青師のネットワークに助けられ、二人は旅をつづけるが、ついに断念。トロントに落ち着く。父を知らないジャックは、「女の子なら安心」という母の信念のもと元女子校に入学し、年上の女たちを(心ならずも)幻惑しながら大きくなってゆく―。現代アメリカ文学最強のストーリーテラーによる怒涛の大長篇。
¥2,640
新潮社 2007年, 単行本 566頁
特集: あなた自身であるために, オールタイム・ベスト50
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読んだ人:杜 昌彦
(2017年09月06日)
(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
『また会う日まで』の次にはこれを読め!