読んだつもりでいたのですが勘違いでした。 表題作は完成すれば 『ガラスの鍵』 を越える傑作になっていたかもしれません。 フリッツクラフトの寓話が肥大して主題を乗っ取るかのような、 そんな話になるはずだったんじゃないかという気がしました。 ほかにも中年男のありふれた休日の話はブコウスキーを思わせたり、 拳銃恐怖症の男が撃たれた拍子に⋯⋯という話のぶっとび具合に 「若い頃はこんなのを書いてたんだ」 と驚かされたりしたのですが、 どうも気分が乗らず、 半分しか読めないうちに図書館の返却期限を過ぎてしまいました。 いずれちゃんとした感想を書こうと思います。
ASIN: 4794221568
チューリップ
by: ダシール・ハメット
『マルタの鷹』『血の収穫』のダシール・ハメットはパルプマガジン「ブラックマスク」から登場し、ヘミングウェイやフィッツジェラルドと並ぶ二十世紀アメリカ文学の重要な小説家と見なされるまでになった。1961年に亡くなるまで書き続けられ、未完となっている中篇小説「チューリップ」を中心とし、初期の文芸作品風の短篇も収めた小説集。ハードボイルド小説の日本での紹介者・小鷹信光個人訳に、評論・解説を付す。
ハードボイルド精神とは何か? 遺作と編者特選短篇を集めた愛蔵版。
¥2,420
草思社 2015年, 単行本 383頁
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読んだ人:杜 昌彦
(2017年09月07日)
(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
『チューリップ』の次にはこれを読め!