腰ぬけ連盟
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腰ぬけ連盟

チャピンは暴力をテーマにした新進作家として成功するが、彼に援助の手をさしのべてきた善意の人びと「贖罪連盟」のメンバーには、変死や行方不明という事件がつぎつぎと襲いかかる。厚みのある展開、意外性、ウルフとアーチーの絶妙のコンビ……シリーズ最高傑作のひとつに数えられる名編。


¥660
グーテンベルク21 2015年, Kindle版 369頁
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腰ぬけ連盟

昨年秋に読んだ版元のグーテンベルク 21 はクーンツベストセラー小説の書き方の翻訳家が著作権のグレーゾーンだれもわざわざ訴えないからセーフという程度の灰色でやっている商売手間の割には儲かるまいなと思うけれどもおかげでこちらは古典的名作が労せずして読める本作の題材はまさしくオールド・ボーイズ・クラブ比喩的にも文字通りの意味においても有名大学出身者が男同士の連帯をするだけの話で彼らが彼らにしかわからぬ流儀で馴れ合うために人が死んだり女が苦しんだりする人物の描き分けがされていないのも当時の男性がみんな似たり寄ったりで男性読者なら同窓のだれかを連想して容易にイメージできたからだろう一方で書かれた年代を思えば意外なほど女性の登場人物は血の通った人物として造形されている馴れ合う男性たちにわきまえさせられ抑圧される側男社会の狭間で生きるしかなかった側の人間がちゃんと描かれているOBC を騎士道になぞらえて馴れ合いに終始するチャンドラー大いなる眠りなどとは違って差別を前提にした社会構造の残酷さをそれがそのようなものであると正確に認識するだけの批評的視点を持ち得ているのであるしかしそうであっても所詮は当時の男性が書いた小説であって結局は男同士の馴れ合いを称賛して終わる男同士の馴れ合いを楽しむ小説だからそれでいいのである本シリーズ当時の女性にはいかように受容されたのか探偵無愛想なデブ中年と助手爽やか美青年の書かれざる交友に想いを馳せるよこしまな楽しみもあり得たのではないか本作にもあの引きこもりのウルフがアーチーを危機から救うために⋯⋯というお決まりの泣かせどころがあるBL と決めつけてしまえば興ざめだがブロマンスの王道シリーズであるのは否定できまい

(2022年02月07日)

(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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レックス・スタウト
1886年12月1日 - 1975年10月27日

米国の推理作家。1934年『毒蛇』を発表。探偵ネロ・ウルフと助手アーチー・グッドウィンが活躍するシリーズを精力的に執筆した。ノンシリーズ作品も警察関係者などウルフ物と共通する要素が散見される。アメリカ探偵作家クラブの会長を務めたことがある。

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