最高傑作です。ですが、光文社版を紹介するのは本当は気が進まないんです。早川版は絶版で、まともな書影すらなかったので……。これから読まれるならぜひ小鷹訳でお読みください。死ぬことすらできずに悔し涙を流した主人公が、そこから這い上がるさまに胸を打たれます。地獄へ落ちる道とわかっていて、友を棄てる道を選ぶ場面も。女の語る悪夢の寓意が結末に生きています。
ASIN: 4334752101
ガラスの鍵
ダシール・ハメット 著
賭博師ボーモントは友人の実業家であり市政の黒幕・マドヴィッグに、次の選挙で地元の上院議員を後押しすると打ち明けられる。その矢先、上院議員の息子が殺され、マドヴィッグの犯行を匂わせる手紙が関係者に届けられる。友人を窮地から救うためボーモントは事件の解明に乗り出す。
¥922
光文社 2010年, 文庫 453頁
※価格は表示時点での価格であり、変更される場合があります。商品の販売においては、購入の時点でAmazon.co.jpに表示されている価格の情報が適用されます。
2017.
09.07Thu
(1975年6月18日 -)著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『悪魔とドライヴ』が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。最新作は『ぼっちの帝国』。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
『ガラスの鍵』の次にはこれを読め!