オースターはここからがすごいんですよ。おもしろさに深みというか凄みが加わる。そういう意味でアーヴィングとキャリアの変遷が似ているような。本書は彼を代表する傑作です。ウィリアム・ギブスン『パターン・レコグニション』とあわせて読みたい。『Pの刺激』よりこの本の方があとなんですけど同じ題材ですね。
ASIN: 4102451145
幻影の書
ポール・オースター 著
その男は死んでいたはずだった──。何十年も前、忽然と映画界から姿を消した監督にして俳優のへクター・マン。その妻からの手紙に「私」はとまどう。自身の妻子を飛行機事故で喪い、絶望の淵にあった「私」を救った無声映画こそが彼の作品だったのだから……。へクターは果たして生きているのか。そして、彼が消し去ろうとしている作品とは。深い感動を呼ぶ、著者の新たなる代表作。
¥781
新潮社 2011年, ペーパーバック 429頁
ジャンル: 映画の謎, オールタイム・ベスト50
※価格は表示時点での価格であり、変更される場合があります。商品の販売においては、購入の時点でAmazon.co.jpに表示されている価格の情報が適用されます。
2017.
09.07Thu
(1975年6月18日 -)著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『悪魔とドライヴ』が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。最新作は『ぼっちの帝国』。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
『幻影の書』の次にはこれを読め!