少年探偵団シリーズは不思議と一作も手をつけなかった。 代わりに繰り返し読んだのは 「芋虫」 「人間椅子」 「鏡地獄」 といった短編で、 幼い読者である僕は本当にこんなものを読んで良いのだろうかと怯えていた。 安部公房と江戸川乱歩は僕の文学的両親にあたる。
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江戸川乱歩傑作選
by: 江戸川乱歩
読者諸君、これが日本で一番美しい犯罪小説だ。
耽美的トリック×倒錯的フェティシズムが交錯する、本格探偵小説を確立した初期傑作9編。
日本における本格探偵小説を確立したばかりではなく、恐怖小説とでも呼ぶべき芸術小説をも創り出した乱歩の初期を代表する傑作9編を収める。特異な暗号コードによる巧妙なトリックを用いた処女作「二銭銅貨」、苦痛と快楽と惨劇を描いて著者の怪奇趣味の極限を代表する「芋虫」、他に「二癈人」「D坂の殺人事件」「心理試験」「赤い部屋」「屋根裏の散歩者」「人間椅子」「鏡地獄」。
¥572
新潮社 1960年, Kindle版 282頁
特集: 天使についての試論
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読んだ人:伊藤なむあひ
(2022年05月06日)
小説家。北海道生まれ。パンと猫と音楽が好き。幻想と怪奇7に短編小説「天使についての試論」掲載。anon pressに「偏在する鳥たちは遍在する」、小説すばる2022年11月号にフラッシュフィクション「合法的トトノイ方ノススメ」掲載。奇想/SF作品集『天使についての試論』(単著)発売中。主に縁起が悪い小説を書いています。
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