隣接界
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隣接界

近未来英国、フリーカメラマンのティボー・タラントは、トルコで反政府ゲリラの襲撃に遭い、最愛の妻を失ってしまう。本国に送還されるタラントだが、それから彼の世界は次第に歪み始めていく……。現実と虚構のあわいを巧みに描きとる、著者の集大成的物語。


¥2,750
早川書房 2017年, 単行本 590頁
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読んだ人:杜 昌彦

隣接界

十年ぶりのプリーストそれなりに楽しんで読んだなるほど集大成の評判どおり彼特有のモチーフをつなぎあわせてあるしかしつなぎあわせる要素SF 的な天才科学者のよくわからない理論による SF 的な兵器に求心力がないもやっとした書き方しかされていないそれぞれの物語がただ異なる場所で撮影した写真のようにばらばらのまま提示してあるロベルト・ボラーニョ2666もまた同様のつながりそうでつながらない物語で最後まで答えが出ないあたりも似ていたけれども連続強姦殺人という暗い現実味が力強くそれぞれの物語を結びつけ読者を惹きつけもしていた。 『隣接界の SF や寓話的世界にそうした力は感じられないそもそもそうした意図がない一方でプリーストらしい悪意の描写にはあいかわらず病的な現実味が感じられもした総じてよくわからないというのが感想でおそらくそうしたよくわからない物語を提示するのがプリーストの意図だったのではないかしいて意味を見出すなら撮ることで失った妻を撮ることで取り戻す話といったところだろうか

(2018年01月03日)

(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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クリストファー・プリースト
1943年7月14日 -

英国のSF作家。その作品は「信頼できない語り手」を特徴とし、語り、真実、記憶の性質、現実といった事柄に疑問を投げかける。SFの先駆者であるH・G・ウェルズに強く影響を受けている。2006年には国際H・G・ウェルズ協会の副会長に就任した。

クリストファー・プリーストの本