夏目漱石
1867年2月9日 - 1916年12月9日
日本の教師・小説家・評論家・英文学者・俳人。明治末期から大正初期にかけて活躍し、今日通用する言文一致の現代書き言葉を作った近代日本文学の文豪の一人。代表作は『吾輩は猫である』『坊つちやん』『三四郎』『それから』『こゝろ』『明暗』など。
こころ
鎌倉の海岸で、学生だった私は一人の男性と出会った。不思議な魅力を持つその人は、“先生”と呼んで慕う私になかなか心を開いてくれず、謎のような言葉で惑わせる。やがてある日、私のもとに分厚い手紙が届いたとき、先生はもはやこの世の人ではなかった。遺された手紙から明らかになる先生の人生の悲劇――それは親友とともに一人の女性に恋をしたときから始まったのだった。