ギャンブラーが多すぎる
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ギャンブラーが多すぎる

30代のしがないタクシー運転手のチェットは大のギャンブル好き。偶然乗り合わせた客から競馬の勝ち馬情報を入手し、馴染みのノミ屋トミーに35ドル渡したところ、情報が的中。配当金を受け取りに意気揚々とトミーを訪ねると、ノミ屋は胸に銃弾を浴びて殺されていた。どうやら複雑な事情が絡んでいるらしく被害者が関わっていた二つのギャング組織から追われることになったチェットは、トミーの妹と協力して事件の真相を探ることに――。手に汗握るスリリングな逃亡劇、全員集合のドタバタ大騒動、ロマンス、一同集めてのクリスティーばりの犯人当てと、ミステリー全盛の時代の軽妙洒脱な世界がここに。リチャード・スターク名義の悪党パーカー・シリーズ、大泥棒ドートマンダー・シリーズで知られる、米国ミステリー界の重鎮による幻の逸品。本邦初訳。


¥880
新潮社 2022年, 文庫 448頁
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あの金を鳴らすのはあなた

ギャンブラーが多すぎる

期待した巨匠の技は堪能できるいいまわしはおもしろいし銃撃戦も素手の格闘もカーチェイスも走行する列車上のアクションまである犯人は登場した時点でわかるこれは欠点ではなく物語を安心して楽しむためのお約束である)。 ごていねいに容疑者を集めた種明かしまである若い男女はくっついて謎は解き明かされ犯人はそれなりに罰される殺されたノミ屋を別にすればだれも傷つかないでも結末のページに行き着いたところでなんの感慨もないそれが悪いわけでもないなんでこんなに味気ないのかな登場人物に魅力がないからだだから印象に残らない主人公がもっと金にがめつければよかったのにそうすればすくなくとも主人公の危険にたいする無頓着さや動機の説明にはなったヒロインだってカジノのディーラーという設定を活かしきれていない頭がよくて度胸もあるのに後半は主人公にふりまわされて逃げ惑うだけだそのあたりが欠点といえば欠点かもしれないでもたぶんジャンル読者にとってはそれもまた長所なのだろうよくも悪くもあとに残らない期待したものを期待どおりに手に入れて裏切られることがないそういうあっさりした楽しみのための小説だ人生に満足し落ち着いたゆとりのある大人の読者のためのジャンル小説なのだろうあるいはミステリの勉強をしようとしている作家志望者にはよさそうだ要するにおれのための本じゃないけれど読んで不快になったとか損をしたとは思わなかったかれの本としては最高傑作じゃないがいい部類じゃないかな

(2022年12月17日)

(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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ドナルド・E・ウェストレイク
1933年7月12日 - 2008年12月31日

米国の作家。著書が100冊を越える犯罪小説の名手。エドガー賞を3度とも違う部門で受賞した。1993年にはアメリカ探偵作家クラブ 巨匠賞も受賞した。

ドナルド・E・ウェストレイクの本