初期短編集。 これはね、 うん、 初期短編集。 ピンチョンだって最初からピンチョンじゃなかったんだね。 それは憶えてる。 二十年も前に読んだからね、 ほとんど憶えてないんだけど。 アフロアメリカンが読んだらどんな気分になるのかなって短編があったのは憶えてます。 まぁ別にピンチョンだからってね、 キャリアの初期から天才でなくてもいいわけですよ。 そういう本が一冊くらいあってもいいじゃないですか。 いかにピンチョンであっても。 だれだってかわいい時期はあったんです。 ピンチョンでもね。
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スロー・ラーナー
by: トマス・ピンチョン
華氏37度で変わらぬ外気、階下では終わらぬパーティ。温室のような部屋でひそやかに暮らす男と女は終末の予感のなかで―鮮烈な結末と強靱な知性がアメリカ文学界に衝撃を与えた名篇「エントロピー」。“革命”を夢見る少年たちの秋を描く、詩情溢れる「シークレット・インテグレーション」、年間最優秀短篇として『O・ヘンリー賞作品集』に収録され、デビュー長篇『V.』の一章へと発展してゆくスパイ小説「アンダー・ザ・ローズ」など、眩いほどの才能に満ちた全五篇、著者唯一の短篇集を新訳。ダメキャラに熱力学、ゴミに機械に帝国主義、スパイ、神話、ポップ・カルチャー…。のちのピンチョン作品の萌芽を見るもよし、一篇たりとも読み逃せない作品群に加え、作家本人による仰天のこき下ろし自作解説、訳者による目から鱗の解説・訳註を収録。
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バードだってシンバルを投げられた
読んだ人:杜 昌彦
(2017年09月06日)
(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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