聖なる怪物
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聖なる怪物

引退した老雄がインタビュワーを前に語りだす狂乱と頽廃の半生。だがそこには隠蔽された犯罪が。悪夢と哄笑が彩る驚愕のミステリ


¥200
文藝春秋 2005年, 文庫 328頁
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よくも悪くも職人技

読んだ人:杜 昌彦

聖なる怪物

ゼロ年代になぜかリチャード・スタークではなくウエストレイク名義の喜劇ではなくノワールのそれもあまり有名ではない作品がちょっとだけ流行ったことがあったこれもその一冊柳の下の三匹目といったところかずいぶんちっちゃい泥鰌だ純粋に巨匠の手堅い職人技だけを楽しむべき小説で手堅い職人技のプロットは冒頭をちょっと読んだだけで展開構成から落ちまでそこで使われる手管に至るまですべて予想がつくナボコフならこのプロットで傑作を書いたろう若い作家志望者が学ぶにはいい教材かもしれないねよくも悪くも読者の期待を裏切らないウエストレイクのノワールと聞いて期待するものがあなたの手にするものだ読む前に予想するのと結果がおなじなのだから読まなくても読んだも同然驚きも昂奮もひねりもなくたいして笑えるわけでもなくいつもの巨匠の堅実な職能を楽しむためだけのそういう時間の使い方をよしとするかどうかおれはどうだったかって? まぁ楽しんだよ

(2022年11月09日)

(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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AUTHOR


ドナルド・E・ウェストレイク
1933年7月12日 - 2008年12月31日

米国の作家。著書が100冊を越える犯罪小説の名手。エドガー賞を3度とも違う部門で受賞した。1993年にはアメリカ探偵作家クラブ 巨匠賞も受賞した。

ドナルド・E・ウェストレイクの本