本の網

本は作家や主題、影響関係でつながっています。ルーツを遡り、似たものをたぐり寄せ、影響を与えたその先へ。結節点から結節点へ、網の目を辿って世界を広げましょう。
お薦め!

オリガ・モリソヴナの反語法

1960年、チェコのプラハ・ソビエト学校に入った志摩は、舞踊教師オリガ・モリソヴナに魅了された。老女だが踊りは天才的。彼女が濁声で「美の極致!」と叫んだら、それは強烈な罵倒。だが、その行動には謎も多かった。あれから30数年、翻訳者となった志摩はモスクワに赴きオリガの半生を辿る。苛酷なスターリン時代を、伝説の踊子はどう生き抜いたのか。感動の長編小説。第13回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞作。

読んだ人: 杜 昌彦

ガラテイア2.2

リチャード、と彼女はささやいた。彼女の名前はヘレン、最新型の人口知能―『舞踏会へ向かう三人の農夫』の天才作家が描く新世紀の恋愛小説。

読んだ人: 杜 昌彦

さらば甘き口づけ

酔いどれの私立探偵スルーはカリフォルニア州の酒場で、捜索を依頼されたアル中作家トラハーンを見つけた。が、トラハーンは怪我のため入院することになった。足止めをくったスルーは、そこで、酒場のマダムからの別の依頼を引き受けた。依頼は、10年前に姿を消したきり行方の知れない娘を捜してほしいというものだった。病院を抜け出してきたトラハーンとともに娘の足跡をたどり始めたスルーの前に、やがて、女優志望だった娘の10年間の哀しい軌跡が浮かびあがってきた…。さまざまな傷を負った心を詩情豊かに描く現代ハードボイルドの傑作。

読んだ人: 杜 昌彦

V.

闇の世界史の随所に現れる謎の女、V.。その謎に取り憑かれた“探求者”ハーバート・ステンシルと、そこらはどうでもよい“木偶の坊”ベニー・プロフェインの二人は出会い、やがて運命の地へと吸い寄せられる…。V.とは誰か?いや、V.とはいったい何なのか?謎がさらなる謎を呼ぶ。手がかり多数、解釈無数、読むものすべてが暗号解読へと駆り立てられる―。天才の登場を告げた記念碑的名作、ついに新訳成る。

読んだ人: 杜 昌彦

編集者を殺せ

探偵ネロ・ウルフを、事故死した娘は実は殺されたのではないかと考える父親が訪ねてきた。娘は出版社に勤める編集者で、亡くなった晩は原稿の採用を断わったアーチャーなる作家と会う約束をしていたという。ウルフはこのアーチャーという名前に聞き覚えがあった。先日、弁護士事務所で起きた殺人事件にも同じ名が登場したのだ。ウルフに命じられて二つの事件を調べるアーチーの目前でさらなる殺人が!アーチーは一計を案じ、関係者の女性たちにウルフ秘蔵の蘭とディナーを贈るが…美食家探偵が苦虫を噛み潰しつつ、狡知な殺人鬼と対決する。

読んだ人: 杜 昌彦

お薦め!
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書写という趣味

文字と文房具、作家たちの言葉……noteで『捨てるための日記』を連載中の28(にわ)ノ烏さんこと28(にわ)さんが導く書写の世界。

読んだ人: 人格OverDrive 編集部

ジェイルバード

ウォーターゲート事件の巻きぞえをくって囚人となったスターバックが回想する前世紀末の労働争議、サッコ=ヴァンゼッティ事件、世界大戦、赤狩り・・・・・・過去と現在が微妙に交錯しながら奏でられる八十年にわたる物語──現代アメリカ文学の巨匠が、人々への愛と怒りをこめて綴る〈新〉アメリカン・グラフィティ。

読んだ人: 一夜文庫

お薦め!

インフィニット・ジェスト

過去に夢見られた未来。中毒者更生施設エネットハウスの住民と、その近所のエンフィールドテニスアカデミーの学生は、視聴者を耽溺させ発狂に至らしめる映画『インフィニット・ジェスト』、及びそれを生み出した家庭の歴史を巡る謀略に巻き込まれる……世界的ベストセラー、本邦初訳成る!

読んだ人: 杜 昌彦

お薦め!

¥2640

『コロナの時代の愛』の鬼才、イシュマエル・ノヴォーク待望の最新長編!
ウォルマートのレジ係、マーガレット・ホットフィールドは一ヶ月前に母を亡くして天涯孤独。ある昼下がり、アパートを訪れた弁護士に、逢ったこともない父の存在を告げられた。1971年にパリのアパートで客死した伝説のロックバンド〈パーセプション〉の歌手、ダグラス・ハイドパークの血をマーガレットが受け継いでいるというのだ。運命に導かれるがごとく契約書に署名した彼女は、ヌンチャクを手にしたトンボ眼鏡のアフロファンキーDJ、全裸で空から降ってきたプレスリーのそっくりさん、写真家にして弁護士のトランスジェンダーといった奇妙な仲間たちと珍道中を繰り広げながら、血と音楽のルーツを求めて冒険の旅に出る……70年代にオーバードーズで死んだ伝説のロック歌手を巡る、抱腹絶倒、ワチャワチャでハチャメチャなドタバタ劇!

読んだ人: 28(にわ)

きれいな言葉より素直な叫び

舞台がある限り、そこに立ち続ける。本を届け、文章を綴り、今日も踊り続ける。お客を楽しませたいと必死になるのも、結局は自分の気持ちのためなのだ。踊り子を応援する人たちもまた、突き詰めれば自分のためではないだろうか。できればそうであってほしい。裸になってステージから見えたものは、客席に座る人たちだ。こちらに目を向けているということそのものが、私には素直な叫びに思えてならない。キラキラとした嘘ばかりの世界で、それだけが信じられる。書店員、エッセイスト、踊り子、三足の草鞋を履く著者による「生きづらさ」を原動力に書き綴ったエッセイ集。

読んだ人: 一夜文庫