二回目の注文が届いた。 初回購入時 『Pの刺激』 の表紙に見られた印刷ズレは解消されていた。 CreateSpace では本文がいつも上のほうにズレて印刷されるが Amazon ではそのようなことはほぼない。 表紙がズレるのは初めてだった。 装幀の完成度は 『悪魔とドライヴ』 が一番いい。 くみた柑さんの美しい装画のおかげだ。 『Pの刺激』 『KISS の法則』 はとりあえずペイパーバックにしてみました、 といった程度の出来。 自己満足ならそれで充分だ。
『KISS』 の書影は著者セントラルからアップロードした PNG 画像に置き換えられたようだ。 CreateSpace 側が手配したものではない。 そう判断する根拠はふたつ。 彼らが送信した画像には塗り足しが含まれていた。 著者セントラルから 「審理中」 の文字が消えた。 対応していない PNG がなぜ受け付けられたのかはわからない。
おそらく日付が変わったタイミングかと思うが在庫数が 7 冊になった。 『Pの刺激』 もだ。 少しずつ増えている。 『悪魔とドライヴ』 のときにはそのような動きはなかった。 おそらく出版と同時に購入、 配送と同時に二度目の購入をしたからだろう。 いますぐ三度目の購入をすればさらに在庫が増えそうな気もするけれども、 国会図書館納入用と記念用の二冊でとりあえず充分だ。 読んでくれるひとがいればもう一冊買い足す。 名刺のように配れるのがオンデマンド最大の利点だ。 CreateSpace なら価格も一冊あたり千円前後で済む。
このところ日付が変わって Facebook の過去投稿が更新されるのを毎日楽しみにしている。 過去のおなじ日に何を考えていたのか知れるからだ。 三年前のきょうはいまの人格 OverDrive を予言していた。 逆の言い方をすればずっと考えていたことを三年間で実現したのだ。 口先ばかりの人間でなかったことを確かめられた。 口先だけにとどめておけばつまらない恨みを買わずに済んだかもしれないが⋯⋯。 全文引用する。
「本をつくったら epub を放り込むかもしくは amazon の該当ページを登録するだけでランディングページが生成されるようなツールはないのか。 で、 おなじツールで facebook 的な UI の、 流れる画面と書く画面がおなじになってるブログツールがあって。 過去の投稿は分類されなくていい。 押し流されていくだけでいい。 検索の必要もない。 そのとき思いついたことを書き留めておく個人的な掲示板というかメモ帳みたいな。 facebook にノートがあるようにそのブログツールには本がある。 なんでそんなあたりまえのものがいまはまだないんだろう。 すごく不便だ。 インターネットもあるし本もある時代なのに。 そういう時代で書く習慣があるひとは当然そういう道具が日常になければ困るのに」
「なんかウェブサービスにかかわってるひとたちっていうか、 IT 的なスキルあるひとたちはブログとか本とかが特別なものだと思ってるんじゃないのかなぁ。 もっと日常的な、 ささやかな営みに属するものであっていいのに。 承認欲求とかが絡んでこないと金にならないからなのかな。 ほんとに便利な、 生理的になじむ道具があったら月額一万とか払ったっていいのに。 あ、 一万は高いか。 でも払うよ」
「ほんと個人的でささやかな日常の営みなんだよ。 書くことは。 で本だってその延長にある。 ウェブも電子書籍もなかった時代はどうだったか知らんけど、 すくなくともいまは。 なんかまだ特別なものとしてしか存在してないみたいな扱われようなんだよなぁ。 実際はもうそうじゃなくなってるのに。 生理的な、 膚で感じる感覚としては」
「求めるものとはちがうけどパブー、 あれブログエディタ的な部分と閲覧部分は、 ああいう中途半端なんだったら、 いらないんじゃないかなぁ。 コミュニティ的な部分と本棚だけでいいんじゃないか。 そんでそれとは別に著者近況が気軽にアップできて閲覧できるような流れる掲示板があるといい。 あれは電子書籍サービスというより手作り本のコミュニティみたいな質感だからそっちのほうが向いてる気がする」
「とりあえず現状は facebook を本来とちがう使い方で運用していくしかないのかなぁ。 でもまちがった使い方なのでこのままだと他人に迷惑かけるし。 個人のサイトでやらなきゃだめなんだよな」
現在このサイトでは書影をアイキャッチに、 ASIN をカスタムフィールドに、 紹介文を要約文に指定すれば自動的に本の紹介ページが生成される。 当然ランディングページとしても利用できる。 タグを指定すれば特集ページも自動生成される。 PriPre というプラグインを使えば理論的には単行本化も容易だ。 twitter のようなタイムラインを備えているので、 他人を招き入れれば編集に必要なやりとりもできる。 その気になれば管理画面を触らせずに投稿する画面も用意できる。 それらを使えばこんな使い方が実現可能だ。 著者であり読者でもあるひとたちを集めて本の紹介記事を投稿してもらい、 アクティヴィティで編集会議をし、 記事が溜まれば PriPre で単行本化する⋯⋯。 一連の流れをすべてサイト上でノンストップでやれるのだ。
というわけで PriPre を試した。 結果は微妙。 epub にエラーが多すぎて修正のしようがない。 必要に応じて投稿日時を表記させたいがそのためのオプションがない。 並び順はドラッグアンドドロップで直せるが記事数が多いと困難になる。 縦中横がうまく動作しなかったがこれは設定もしくはビューワの問題だろう。 結論として用途はかなり限定される。 本の紹介記事や連載小説ならどうにかなりそうだが、 通常のブログ記事では使いものにならない。 単行本で読ませることを前提とし、 PriPre の癖のようなものに合わせた編集をした上で投稿しなければならないからだ。
ひらかれたブログとパッケージされた本では発想も見せ方も別物だ。 媒体にあわせて編集しなければならないのは当然といえる。 広く大勢に開放するのであれば、 どのみち投稿ルールを厳格に定めなければならないのでアリだが、 ひとりで運営するサイト、 特に人格 OverDrive の用途には適さない。 Hagoromo で epub にし目次のエラーを手作業で修正したほうがいい。
Kindle 化される本も少しずつ増えてきたし、 Amazon が見せたがる景色を無視さえすれば、 三年前に夢想したような個人的な営みにはそれほど影響がない。 読みたいように読み、 書きたいように書くだけだ。 これまでもこれからも。