『KISS の法則』 ペイパーバック版を刊行した。 書名の 「!」 の前に空白を入れたことにあとで気づいた。 なぜそんなことをしたのか自分でもわからない。 修正不可能。 今回は日本で配信されるのが早かった。 平日に依頼すればすぐさま反映されるようだ。 週末に申請すると一週間から十日ほどかかる。 手順をしくじって書影の修正を依頼する前に配信した。 あとから修正依頼をかけたら塗り足しつきの画像にされた。 『Pの刺激』 は書名の表示がおかしい。 技術的な調査が必要だといわれた。 おまけに正常だった書影が裏表紙になった。 旧版のペイパーバックを絶版にして出し直したので絶版にした旧 Kindle 版に紐付けられた。 修正してもらえたが今度は旧ペイパーバック版が亡霊のように著者ページに出現し、 新たに紐付けられた版には実在しないレビューの星が残った。 紐付けは KDP、 著者ページの表示は著者セントラルに問い合わせた。 レビューの星については反映に時間がかかっているだけと説明されたが、 おそらく永久にあのままではないか。
著者ページでは Kindle 版よりも、 紐付けられたペイパーバック版が優先的に表示されている。 印刷版が基準とされるのはそれはそれで正しいのだけれども、 結果として書名と筆名がアルファベット表記になっている。 おまけに現状は裏表紙が表示される。 表紙が修正されたら Kindle 版を優先できないか著者セントラルに問い合わせるつもりだ。 『悪魔とドライヴ』 Kindle 版を再配信するよう設定したので、 反映されたらまた書影が裏表紙になる可能性がある。 何か変更を加えるたびに必ずどこかがおかしくなる。 日本語の本を日本のストアに配信する、 という二重にイレギュラーな使い方をしているので、 CS と KDP と著者セントラルの連携に不具合があるのだ。 これはどうしようもないらしい。
Amazon は読み物としては Goodreads なり何なりの別部門でやって、 販売部門である Amazon では商材としての側面のみを切り出している。 考え方は理解できるが日本では Goodreads などの関連サービスがなく生態系が機能していない。 であれば Amazon のアルゴリズム自体がピンで読書を包括的に理解していなければならないが、 グローバル展開で日本だけ特別仕様にはできない。 結果として読書が疎外される。 関連商品やランキングに読書の文脈はいっさい期待できない。 もっといえば非効率な無関係要素として排除されている。 Spotify や iTunes は商品をコンテンツとして理解している。 単体で生態系として完結しているからだ。 販売に特化された一部門でしかない Amazon は、 単に商材としてしか本を理解しない。 この差は大きい。 利用するのは単に使いやすいからだ。 「ひとり出版社」 ごっこをするには Amazon と CreateSpace がもっとも適している。 さまざまなウェブサービスを使い較べた上での結論だ。
信頼性の面でも CreateSpace は優れている。 似たような手段を提供するかに見えるサービスには詐欺も横行している。 セルフパブリッシングはすでに新手の自費出版詐欺の温床だ。 二十年前に迫る規模に拡大している。 発言力のあるひとや団体が助長するような言動をしたり、 不都合なひとを黙らせたりするからたちが悪い。 無料で出版できます、 あなたの ISBN も使えますとの謳い文句を信じて登録したら、 自分の ISBN を使うために五千円払わされたあげく、 屋号を名乗る権利を勝手に奪われて、 あげく 「実はあなたの名義にするには別なサービスで五万円が必要です」 と告げられるのでは、 控えめにいって詐欺以外の何ものでもない。 しかし事実であっても名誉毀損なり営業妨害なりであべこべに訴えられかねないので名指しはできない。 新風舎や碧天舎とちがって被害金額が少ないので摘発はされないだろう。 消費者の無知につけ込んだうまい商売だ。 Amazon もなかば公認している。
完全に自己満足の趣味としてやっている。 商品一覧を眺めて悦に入ったり、 名刺代わりに本を配ったりするために出版する。 そのために Amazon の一画を借りている。 他人に見せるものではないし、 見られる可能性もない。 他人にとって不可知であれば存在しないも同然だ。 このサイトにしてもサーバを借りて公開はしているけれども、 実質的には Mac のデスクトップにあるのと変わりない。 もっといえば胸の内にあるのと変わりない。 脳の外部拡張として Mac があり、 サーバなりインターネットなりがあるだけだ。 自分ひとりが楽しめればいいのだから社会的に存在する必要はない。 胸の内にありさえすればいい。 社会的に存在しないことはむしろ自由につながる。 ヘンリー・ダーガーのように非現実の王国を築きたい。