杜 昌彦

D.I.Y.出版日誌

連載第84回: 将棋は関係ない

書いた人: 杜 昌彦, タグ: ,
2017.
10.19Thu

将棋は関係ない

Amazon で素人のゴミが売れるのはゴミみたいな素人が寄り集まってゴミばかり買うからだゴミのような素人とゴミのような作品で循環するうちランキングに表示されそこから汚染が拡大する定額読み放題サービスにゴミばかり目立つのでうっかりクリックという感染経路もあるAmazon のアルゴリズムに読書の概念はないゴミだろうが誤クリックだろうが金は金権利者が素人で扱いやすければなおよいという商売だ

一般的な読者が電子書籍を手に取る条件は整いつつあるしかしまだ客層が悪すぎる目新しいガジェットに手を出す客層は偏りがちだしとりわけ黒船来航当時は素人のゴミと青空文庫くらいしかコンテンツがなくなおかつゴミを礼賛する紹介者がいてそれがインターネットの交流でネタとして消費されたためにそもそもそういう意図と人材人脈経路でもって紹介が行われた受容が歪められたその歪みは売れたものが露出するから売れるによる倍々ゲームでいまだ拡大する一方だ

ゴミが増えればまともな本は淘汰されるそうなれば読書は見向きもされなくなり出版は滅びる実際次のような危惧も語られている

すでに同人誌的な小説らしきものがネットには数多く登場していてセルフパブリッシングも容易になっています玉石混合の時代に運よく面白いものに出会い、 「読書は面白いと思ってくれればいいのですがつまらないと本なんて読まないということになってしまう引用元:出版界の未来は? 河出・小野寺社長と筑摩・山野社長が対談」)

汚染を防ぐには閲覧履歴のオフ」 「まちがって買ったゴミはおすすめに使用しないにチェックを入れるの二点を啓蒙するしかないそれでも自著の関連商品がゴミに汚染されるのを防ぐ手立てはない試しに自著を三冊と海外文学を何冊か同時に買い込んだが反映されなかったコントロールできないのだしかしほんとうに本が好きならストアの表示など無視し信頼できる書評から本を探すのではないか書評の価値が見なおされつつあることを思えばそれほど悲観しなくてもいいのかもしれない


(1975年6月18日 -)著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『悪魔とドライヴ』が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。最新作は『ぼっちの帝国』。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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