花終る闇
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花終る闇

“漂えど沈まず”。小説のタイトルは決まった。しかし、男はそこから一歩も進めなくなった。焦燥と倦怠の中、男は酒と情事と幻想に耽る―。熱帯の甘い泥に蠢く古代の虫。機関銃の猛射の下、惚けた顔で佇むベトナム兵。みなし児のようにヨーロッパをさまよう女の疲れた首筋。記憶を食いつぶした男は崩壊の手前で辛うじて踏み止まるのだが…。『輝ける闇』『夏の闇』に続く未完の最終篇。


¥675
新潮社 1993年, 文庫 210頁
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読んだ人:杜 昌彦

花終る闇

書き上げられなかった理由がなんとなくわかる気がしますつらい経験は渦中にあるときや生還した直後もしんどいのですが終えて解放されてからもどう生きていけばいいか逆にわからなくなる何もなくなったように感じるんです

(2017年09月07日)

(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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AUTHOR


開高健
1930年12月30日 - 1989年12月9日

1958年芥川賞。1968年毎日出版文化賞。1979年川端康成文学賞。1981年菊池寛賞。1987年日本文学大賞。1964年、朝日新聞社臨時特派員としてベトナムから生還。総勢200名で残ったのは17名だった。1989年食道癌の手術後、食道腫瘍に肺炎を併発し死去。