D.I.Y.出版日誌

連載第54回: 書きやすくする

アバター画像書いた人: 杜 昌彦
2017.
06.21Wed

書きやすくする

ウェブを利用した出版について考えていますBuddyBlog から気軽に投稿する実験としてですます調をやめたり要約文の設定をしないようにしたり記事に二重の意味を持たせていた URL をただの投稿 ID にするコードを functions.php に加えたりしてみましたこの記事も最初はそのようなかたちで公開しましたしかし強烈な違和感があったのと再編集するにはどのみち管理画面へ遷移しなければならず手間が変わらなかったので文体と要約文だけは戻すことにしました

ユーザに管理画面を見せないようにする方法は調べがつきました必要があればいつでも導入できます他人に開放できるくらい使いやすくすれば自分でも書きやすくなるはずです去年失敗したサイトはだれでも簡単に登録できマルチサイトまで持てるようにしたのでスパムの標的になりました海外の bot だと思っていたけれども実際には逆恨みしただれかだったのかもしれませんアカウントやマルチサイトをうじゃうじゃつくられただけではなく明確にいやがらせだとわかる日本語のメンバータイプを勝手につくられました

敗因はだれでも使えるようにしたことです利用者のブランディングを大きな目的のひとつとしていたにもかかわらず機能的には正反対にしたことになりますやりたいことの適切な実現手段がわかりませんでした書評の投稿をサイト全体で共有し利用者それぞれのブログをマルチサイトに割り振ったのも失敗でした脆弱だし預かる責任が重すぎます管理画面に蓋をし完全招待制にして利用者を手動で登録すべきでしたその上でマルチサイトではなく共通の場所を自由に使ってもらえばよかったそれぞれの著者の独自性にこだわりすぎました集まる場として機能させるには機能を限定しやれること/やれる場所をひとつに集中させるべきでしたただでさえtwitter ではない=汎用性がないのですから

掲示板で作品をブラッシュアップできる」 「アクティヴィティで独り言を書いたり交流したりできる」 「DM で私信が送れる」 「日記が書けるのほかに実現するとしたら固定ページで販促できるつまり著者ページやランディングページを持てるということでしょうむしろそのほうが重要です登録すれば著者名がタクソノミーとして自動設定され著者ページが自動生成されるようにしたい登録時に設定したアバターがヒーローイメージになり登録した著書が一覧として並び書影をクリックすれば個別のランディングページが表示される現状はプロフィール/アクティヴィティが著者紹介と完全に分離されていますメニュータブに著書一覧を新設し固定ページのタグで実現している機能を集約しなければなりません

いまは固定ページを本の紹介にタグを著者名にタグページを著者紹介/著書一覧に割り当てています著者画像や紹介文はあとから手動で入力する必要がありますがページそのものはタグとともに自動生成されますこれを BuddyPress で実現するにはどうすればいいか販促ページの著者名をクリックするとアクティヴィティに飛ぶような贅沢をいえば現在の著者紹介ページのようにアバターと紹介文がヒーローヘッダに表示されるようにしたいアバターを背景画像として呼び出し紹介文をその上に表示すれば⋯⋯などとあれこれ考えましたがふと気づきました拡張プロフィールで事足りるのではすべての情報を集約しなくてもリンクさえ示せばいいむしろそのほうが見やすいし扱いやすいユーザ自身に設定してもらうこともできるというわけでやってみました充分です


(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。