書写という趣味

連載第12回: 書写したモノとの付き合いかた

アバター画像書いた人: 28(にわ)
2023.
10.28Sat
書写
字は四字熟語書写(@yojisyosya)から.ノートは埼玉県書写書道教育連盟推奨かきかたれんしゅうちょう小1用.鉛筆はBLACKWING55.

書写したモノとの付き合いかた

ノートや便せんに書いた書写は続けていけば溜まっていくそれをどうするかつまり保管するか捨ててしまうか保管するならいつまで保管し続けるのか

書写したものを記録として保管することには過去の自分が書いた字と今の自分の書いた字の比較が容易になるというメリットがある特にノートや紙は一覧性が高いので自分の書いたものをざっと遡ることができるからだデメリットとしてはノートや紙は場所をとってかさばるということがある書き続けてそれをずっと保管しておけば量も増える

趣味としての書写は作品とかではなくかなり個人的で日常的なものだから自分以外の人間にとって無用の長物だ自身のビフォーアフターを知るためだけの記録の保管は思い出の品に近いかもしれない

一方ノートや紙に書いたものを写真に撮ったりスキャンしたりしてデジタルデータにすることも可能だデジタルデータのメリットはノートなどのように場所をとらないことである

写真は SNS との相性も良い記録としてのアカウントをつくりそこにデータを残すという考え方もあるもっともSNS のアカウントもサービスそのものも未来永劫に続くわけではないのでその場所にだけ頼ることはできないが

記録との付き合いかたは人それぞれだと思う

私はというと便せんやペラ紙に書いた書写は SNS に投稿したら捨ててしまうし投稿しなくても書きおえたら捨ててしまうノートもすべてのページを書いて埋めてしまったら処分するそれはたぶん今の自分の字がそこにあるすべてだと思っているからだ学んだ分もサボった分もいま書かれた自分の字そのものに過去の経験がすべて詰まっているそう思っているからあまり過去を振り返ることをしないSNS に投稿する基準も特になくて、 「うまく書けたから投稿するというわけでもないはじめのうちは書写が習慣になるように SNS で投稿していたけれどなんとなく日常に組み込まれてやらない日があっても特に気にすることもなくマイペースで書写ができるようになってからはかなり気まぐれ投稿になってしまった

毎日書写しないと気持ち悪いというところまではいっていないけれどなにかの拍子で書写しなくなったとしてもいつでも再開できる自信はあるいつでも戻れる手軽さも書写のいいところかもしれないそのときはきっと書かなかったぶんの字の崩れが今の自分の字の形としてそこに記録されるのだと思う

学習の過程は常に右肩上がりで上昇するわけではない試行錯誤の末に迷走したりうまく書けなくて停滞したかと思うと急におもったとおりの字が書けるようになったりするそういうことの繰り返しだそこでうーん⋯⋯?と多少悩むことはあっても落ち込みはしない頭の中で思い描いた文字の表象を身体をつかって表現しようとする感覚は私たち自身のなかに既にある程度蓄積されているそれらを少しずつ修正しながら文字を書く字を練習しなくなって下手になったと感じるのは少しずつ積み重ねた修正が自分の身体がラクに文字を書く状態へ戻ってしまうからだ手癖がでる

頭のなかに思い描く文字の表象は常にお手本の字でありたいから私はあまり自分の字を見なくてもいいと思っているそれでなくても自分の字を一番見るのは結局自分自身だ埋まったら捨ててしまうノートとはいえめくっていると過去の自分けっこう頑張っているじゃないくらいは思っている書き残した記録とはそれくらいの緩い付き合いかたをしている

使用した文房具

お高い鉛筆を試してみたくて買った 1 本思ったより芯が軟らかくて頻繁に削っているから早くなくなりそう

今回使った埼玉県書写書道教育連盟推奨の書き方練習帳埼玉県下でしか扱っていないようです学用品のコーナーで売っています


遠つ人。日常+ 読書。Huginn(思考)とMuninn(記憶)