書写という趣味

連載第10回: 草書と崩し字が読めるようになりたくて

アバター画像書いた人: 28(にわ)
2023.
09.10Sun
書写
文章は朝活書写(@asakatsu_shosha)から.ノートはツバメノート,鉛筆は三菱uni硬筆書写用.

草書と崩し字が読めるようになりたくて

前回硬筆書写検定についての文章を書いたとき、 「行書もやると楽しいだろうなあと書いたけれどそもそも私が書写をやるきっかけは草書と崩し字が読めるようになりたかったからである

どういうことかと言うとそもそも私は美術館や博物館へ行って展覧会を見るのが好きでそこで展示されている古文書や手紙絵巻の文字が読めたらもっと展示が楽しめるのに~と思っていたのだ

そんなわけで変体仮名を覚えるために手で書くことを始めるのだが仮名を単語だけ書いていてもだんだん飽きてくる飽きずに続けられる文章例があればいいのにと思っていたところ Twitter( 現 X) で朝活書写さんを見つけたのであるしかも朝活書写は書道をやっていらっしゃる方が多く楷書・行書・草書の3パターンで書写をやっていらっしゃるのでその方々の書く草書を見るのはとても参考になったその後変体仮名を練習しているうちにそもそも自分の楷書のバランスがよくないなということに気づき今ではほとんど楷書の書写ばかりやっているが草書と変体仮名を読めるようになりたいという欲は今もしっかり持ち続けているというより楷書を書写することで草書崩し字への欲を忘れないでいられている

楷書を書写していると楷書には基本的な筆順のルールがあるのがわかる上から下辺からつくり中央からサイドかまえから中へなどなど楷書から草書を学ぶときそれら楷書の筆順が役に立つときもあるし素早く字を書くために楷書の筆順が無視されている場合もある人の手で書かれた文字は必ずしも決まった筆順で書かれているわけではないからそれは現代においても同じ)、 古文書に書かれた文字がかなり崩れていて読みづらいこともある

草書という書かれた文字の形がありその字の筆の流れ・動きを見て筆順過程を予想する漢字という文字が筆という筆記具の制約のなかで成り立っているという事実だけはよくわかってくる

字を書く筆順の過程が様々であるようになにか行動を起こすとき目的を定めそこへ到達するまでのルートはいくつもあるメソッドが確立していれば目的に到達するまでの期間は短く済むかもしれないコストパフォーマンス・タイムパフォーマンスを重視する最近の流行では結果を手にするためのコストは少ないほうがいいからメソッドそのものはいい商売となる。 (それは経済的には正しい。) 目的や結果だけを見てそのまままっすぐで一直線な動機を予測することはとても簡単だインターネットではわたしたちの行動の断片を繋ぎ合わせて出される広告がはびこっている

しかし実際人にはそれぞれの背景がありきっかけがあり動機がある自分以外の人間がそういう個人的な理由をわざわざ知る必要はないけれど人に対して過度に一般化したり抽象化したりしてわかったような気になるということはやめたほうがいいそれは人に対する思考を節約することであり個人の勝手な思い込みで人を判断することに繋がる想像による予測と予断は違う

結果や形はそれだけのことでありそれだけしか見えていない場合結果や形にまつわってはいるが見えていないあらゆる部分に対してはせいぜい予測という不確定な姿勢に止まるしかないのである

変体仮名は一番易しそうなここからスタートシリーズになっているのでレベルに応じて読めるのもいいかと

本屋でぱらぱら見て自分の使い方に合っていそうに見えた崩し字ハンドブック

使った文房具


遠つ人。日常+ 読書。Huginn(思考)とMuninn(記憶)