書写という趣味

連載第9回: 硬筆書写検定のこと

アバター画像書いた人: 28(にわ)
2023.
08.26Sat
書写
硬筆書写技能検定 第2問の模範解答から.ノートは漢字練習帳,万年筆はシュナイダー.

硬筆書写検定のこと

書写を始めてしばらくしてから硬筆書写検定というものがあることを知った

前回私は趣味への動機づけに他者評価を利用するときには依存しすぎないよう注意が必要だと書いたけれども自分の字のレベルがどのあたりにあるのか知りたいと思った場合こういう外部評価はひとつの基準になると思うまた目標にもなり得る

どういう書写技能が評価されるんだろう?と思って試しに 3 級のテキストを買ってみた検定を主催している一般財団法人日本書写技能検定協会によると3 級は受験者が一番多く合格率は 8 割程度で一般的に中学・高校生が受験するレベルらしい

出題は実技問題が 6 問と理論問題がある試しに実技の第 1 問速書きをやってみたけど115 字を 4 分で書くというのが思っていた以上にできなかった!最近縦書きでゆっくりていねいに書くということばかりやっていたせいもあるが速く書くと自分しか読まなくていい字に一気に崩れてしまう現状他人に読めるくらいの字を速く書くというのは今の自分に欠けている技術ださらにこの問題は行の中心をそろえて書くことと漢字よりひらがなを小さく書くという手書きの基本ポイントはもちろん字間・行頭をそろえることなども必要になってくる

第 2 問は漢字を楷書と行書で書くというもの第 3 問は漢字を行書にして縦書きで文を書き写すというもの第 4 問は漢字を楷書にして横書きで文を書き写すというものだった模範解答のポイントを読んでいると字形の整え方がでてくるこのあたりは書写の教科書にも書かれているへんとつくり上下からなる漢字のバランスについての記述だ今は楷書を丁寧に書くことしかやっていないけれど行書も練習すると楽しいだろうなあ

第 5 問はハガキの宛名を書き第 6 問は掲示物を書くというもの実用を想定したらしい課題だけど私は第 6 問の課題をみていると頭が勝手に Word の手順を考えてしまうのでやるとしたら一番苦手な問題かもしれない少なくとも掲示物を手で書こうとは思わないので

理論問題は知識を扱うもので部首の名前や筆順草書漢字の間違い探しをマークシートで解答するぱっと見たところ常用漢字の間違い探しは曲者な気がした行書草書を見慣れている人は見落としがちな漢字がいくつか紛れているいわゆる旧字体も多い

世の中には色々な検定があるけれど3級というのは学んでおいて一番ちょうどいいレベルなのかもしれない漢字にしても英語にしても書写にしても3級より上か下かで自分の技能をはかることができる他者評価に惑わされることがあると同時に自分が勝手に他人の上ばかり見すぎて落ち込んだり下ばかりみて優越感にひたってみたりそういう状況にはまってしまったとき基準のひとつとして戻る場所をつくることはいいことだ受験する・しないは措いておくとしても今の自分にできていることとできていないことを確認する手段として3級のテキストは使っていこうと思う色々な方法で字へのアプローチができるのは基本的に楽しいことだ

買ったテキスト書き込み式でなおかつミシン目が入っており問題を切り離して使える点がよい

使った文房具

漢字を基本からやるときは十字補助線入りが便利

シュナイダーはペン先の硬さがちょうどよく好んで使うペンのひとつ


遠つ人。日常+ 読書。Huginn(思考)とMuninn(記憶)