くみた柑のオキラクニッキ

連載第7回: 幸福な家族を夢見たカンチガイ作家の末路

Avatar photo書いた人: くみた柑
2023.
01.10Tue

幸福な家族を夢見たカンチガイ作家の末路

永遠の 40 歳改め永遠のカンチガイ作家として転生したクミタですこんにちは!

私の著書はハッピーエンドが多くてでもそれは幸せになりたいという強迫観念めいたものが無意識に発動しているのかもなぁと最近思っています現実はそんなにうまくいかないし実際うまくいかないことだらけだからせめて物語の中だけは救いがあったりハッピーな展開になってほしいという作者の願望がダダ漏れてしまっています自分が書きたいものを書くとかかっこいいこと言ってますけど自分を癒すための物語を綴っているのかもしれません

摂取する物語もハッピーエンドが多いですが魅力的なバッドエンドはいつまでも心に残る気がしますめっちゃ辛くてなんとか自分の中で消化して落ち着いても時々思い出して反芻してはああああと何度でも身悶えるのはバッドエンド作品の方が多い⋯⋯気がしますあくまでも私の場合。 (欲をいえば希望を少しだけ残したバッドエンドがよいですただただ後味悪いだけのものはちょっと苦手

バッドエンドなお話も書いてみたいのだけれどそう思い始めてプロットを練っていてもいつのまにかハッピーな道筋を探してやっぱり希望がある方がいいなという着地点に落ち着いてしまいます

私は自分の経験を時々物語に落とし込んで書いているけれどそれはすべて私や私の周りでは起こり得なかった if の世界で

現実には叶わなかったけれどこうなる未来もあったかもしれない見たかった結末なりたかった自分憧れの環境自分で紡ぐ物語なのだからその中でくらい夢をみたっていいじゃないどうやらそんな思いで書いているようですそういう書き方をしていたことに最近気づきました

改めて自分の書いてきた作品を振り返ってみるとほんと自分の願望が溢れすぎていて恥ずか死ぬどのあたりが願望なのかはご想像にお任せします

⋯⋯っていうかこの記事のタイトルでバレバレですけどね!

そういえばまだ私が小さい頃父がいて常に不穏な空気に包まれていた我が家でも普通の家庭っぽく和気あいあいという雰囲気になることがあって

母方の親戚にめちゃめちゃ面白いおじちゃんがいて今思えばおじちゃんじゃなくてお兄さんって年齢だった失敬!)、 仕事で東京に来るときはいつもうちに泊まりにきてたんです

例のごとく母が丁寧におもてなしするので我が家ではめったに登場しないお刺身をはじめいろいろなご馳走が食卓に並んでおじちゃんが来るときはさながらハレの日状態お酒飲んで上機嫌になったおじちゃんはオヤジギャグを連発! 方言もあいまって何を言ってもどっかんどっかん私の中で大ウケしちゃうので気を良くしたおじちゃんのギャグはどんどんパワーアップし常に笑いが絶えなくて本当に楽しかったなぁ

なんでこんな絵に描いたような幸福な家庭っぽくなるのかというと父がスキル外面そとづらを発動するからなんですお客さんがいるとめっちゃ良き夫良き父を演じるのでおじちゃんが来ているときだけは幸福な家庭っぽく偽装されるのです小さい頃の私はそんな細かいことよくわからなかったのでただただおじちゃんが来る日はとても楽しくておじちゃんのことが大好きでした

ちなみにそのおじちゃん姉情報によると実家にいるときはギャグなんてひとつも言わないし両親の前では別人のように真面目でお硬い表情を貫いているらしく一体どっちが本当のおじちゃんなのか実はいまだによくわかりませんおじちゃんは本家と呼ばれる方の出自だからもしかしたらとても厳しいなんやかんやがあるお家柄でうちに来るときだけ羽目を外せたのかもしれないです

私の父は外面という仮面をつけおじちゃんは本家のお面を外していたのかもしれないと思うとちょっと面白い

私が創作の中で描くような幸福な家庭ってフィクションにしか存在しないんじゃないかと思っていた時期があったのですがSNS等でいろいろな人のお家事情が見えるようになると本当に存在していたんだ!と驚きますもちろんそんな幸福な家庭でもずっと順風満帆だったわけではなく時に辛い現実と向き合う期間を経てきているのかもしれないけれどでもうちみたいな瞬間偽装家族ではなくそこにいる家族がみんな揃って心から楽しい時間を過ごせるのならそれって奇跡に近いくらいのことなんじゃないかなって私は思っちゃうのですもしご自身の家庭がそうだったらそれめっちゃラッキーですよ!

おじちゃんが時々遊びに来てくれたおかげで私も幸福な家族というものを体験することができたので今更ながらおじちゃんに感謝です


2013年に第一作目となる『記憶の森の魔女』をKindleにて出版。他に、タイムリープを題材としたロングセラー作品『今度君に逢えたら』、初のコメディとなる『行き先はきくな』など。電子書籍を中心に活動中。
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