瀕死の双六問屋
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瀕死の双六問屋

1998年11月~2001年4月にかけて『TV Bros.』(東京ニュース通信社)で連載され、キヨシローが、「俺が唯一(絵本以外で)というくらい、まじめに(ゴーストライターやインタビューおこしではなく)自分で書いた」(「あとがき」より)と語る、「瀕死の双六問屋」を加筆修正した本書は、「理想郷」である「瀕死の双六問屋」で暮らす男が縦横無尽に音楽への愛、社会への怒りを語り尽くすというサイケな作品。君が代、憲法、自殺問題、さらには反核・反原発曲の収録問題を理由としたレコード発禁事件等々エピソードは多岐に亘り、10年以上の時を経ても、その文章はサイコーにクールでホット!

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いまでも生きていたら……

読んだ人:杜 昌彦

瀕死の双六問屋

Noooooh憎み合ってるかぁーい? かれの言葉が Twitter で流れてきてまだこの本を紹介していなかったのを思いだしたファンのみなさんにはもうしわけないけどおれはかれの音楽をそれほどよく知らない何枚かたまに聴きかえすアルバムがある程度でもこの本は大好きだブコウスキーの日記みたいでもありある人物の意識から別の人物の意識へ渡り歩く語りはサイケデリックな小説みたいでもある作中で語られる思いは搾取され殺される側のおれたちが権力と戦争を礼賛する現代では理解されないかもしれないだからこそ残念なんだいまこの世界にかれがいないことが物語の後半で語り手は病に冒され死期を悟りながら弱っていく自転車を奪った犯人をおれは許さないそいつがこの本を読んで悔やめばいいと思うそしてこの本の予言が成就されないようになんらかの行動を起こせばいい念のために断っとくけどどっかのしょぼい犯罪者みたいにだれかを暗殺しろってんじゃないよなんとかガールズや尻馬に乗る連中みたいに英雄に祭り上げろってんじゃないんだあれ以来何かを変えたり動かしたりするには暴力が有効だってことになっちまったし同じ穴の狢を生贄の羊にして切り棄てることで連中はまんまと野望を成就させつつあるけれど清志郎はそんなことを唄っちゃいなかった言葉や音楽には力があるはずでその力に動かされて世の中を変えるのは言葉や音楽を理解するおれたちにほかならないルー・リードがヴァーツラフ・ハヴェルと話して考えたみたいにね腐った奴らが増えているんだ自分を見失わないで欲しいんだ⋯⋯

(2022年12月26日)

(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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忌野清志郎
1951年4月2日 - 2009年5月2日

日本の音楽家、詩人、随筆家。RCサクセションを筆頭に、忌野清志郎 & 2・3'S、忌野清志郎 Little Screaming Revue、ラフィータフィーなどのバンドを率い、ソウル・ブルースを下地にしたロックサウンドを展開。そのステージ上における圧倒的な存在感と、1983年に発表されたRCサクセションのライブアルバム「THE KING OF LIVE」の印象から、ザ・キング・オブ・ロックの異名を取った。

忌野清志郎の本