D.I.Y.出版日誌

連載第349回: 四連休は消えた

Avatar photo書いた人: 杜 昌彦
2022.
12.18Sun

四連休は消えた

プラットフォームも国家も人権と民主主義を憎むけれどまだこの国では人間ごと非表示にされるとこまでは行ってないかろうじてまだアフガニスタンもミャンマーもチベットも香港もロシアも他人事ではない名誉ある地位はどこ行った非表示にする側にいられると思い込んでるばかばっかり長い歳月をかけて民主主義をだめにしていった動きがついに大詰めというか収穫のときを迎えた印象があるおれが物理的に非表示にされるそのときに備えてまたひとりごと垂れ流し専用のサーバを建てた前回のオール・トゥモロウズ・パーティーズはポルトガルのヒューゴさんに頼ったけれど今度は曲がりなりにも自力おかげでボタンやリンクをオレンジ色にするのが楽だったそれをやったのはおれにとっていいことだったけれど日本企業の VPS なんでほんとうにやばい状況になったら結局はだめかもしれないこのところひどいニュースばかりでこの国もいよいよ宿願の方向へと舵を切ったらしい痛い目に遭った世代が死に絶えたからな自衛隊の偉いひとでさえも驚き呆れて嘆くほどめちゃくちゃだよその国も大差ないというかインターネット全体がもう何年も前からそんな方向だし2022 年は民主主義がいよいよほんとうに死んだ年として記憶されるかもしれないね

 アパルトヘイトで成り上がった出自の殺人自動車の武器商人を弁護するつもりは毛頭ないけれど赤字プラットフォームをけちけち運営するならいわゆる丼砲回避で大規模インスタンスは出禁にするかもしれない負荷がかかれば金もかかるからねおれんとこは現状どこともつながってないからおれに言及されても負荷なんかかかりようがないけどさいやでも締め出したところで負荷は防ぎようがないか単に連合からの閲覧を拒否すればいいだけででも連合側では別にツイートを言及できないとかの騒ぎにはなってないまぁいいんだけどこういうのはそこそこ話題になるし胸部や太腿を強調した子どもの絵を公道に曝すことにかけては狂ったように表現の自由を主張するくせに国家があきらかにやばい方向に進んでいてもだれも気に留めないんだからどいつもこいつもおめでたいなみんなくたばれよと思う国家に調教され去勢されて勇ましいことを叫ぶばかりの不抜けた阿呆ばかりだおれは似たような経験をしただれかの役に立ちたくて笑いにすることで人生の元をとりたくてただふつうにおもしろい小説を読んだと思ってもらえればそれでいいのだけれどただそれだけのことがプラットフォームの客層やアルゴリズム国家の説く道義といった本の内容とはかかわりがないところでうまくいかないもっといえば権力におもねる大出版社様がたの方針だよなだれもかれもがいいなりの腰抜けばかりだおれはそんな恥ずかしいやつにはなりたくない抗う方法を模索しているガリ版刷りの詩集を隠し持ってまわし読みするみたいにしてね

 楽犬舎は価値がないことを意識しないですむ場所にしたいんだただ気兼ねなしに垂れ流したいでも連合やフォローの機能が半端にあるものだから寂しく感じさせられてしまうCSS で非表示にしようかな最後に何も残らないくらいほんとうのほんとうに突き詰めればおれはだれかに認められるために書いてるわけじゃないんだ読まれることは必ずしも前提じゃないそのことは最後に何も残らないくらいほんとうのほんとうに突き詰めて考えて幾度もあれこれ試したから断言できるおれは自己愛者じゃない父親みたいな虫のいいサイコパスじゃないんだでもそれとは別に弱い気持もたしかにあってそれが入り込んできておかしなことになるだれかをフォローすれば価値ある他人に思考や気持が乱されるしフォローバックされないことで無価値を思い知らされるなのにその機能があると使わないのが寂しくなるいやだなおれはおれがきらいだおれの言葉を企業に握られてたまるかと若いころは意地をはってオープンソースの道具で書こうとしていたけれど当時の Linux の日本語環境は貧弱でろくなフォントもなければ東風フォントが権利問題で中華フォントみたいになった直後だった漢字変換もお粗末だった音をあげて Mac に移行してそれからずっとプロプライエタリで書いているいまじゃ CotEditor がなければ小説もコードも書けない小学生レベルの漢字変換すら満足にやれないくせに優等生気どりの Atok には耐えがたい瞬間がたびたびあるけれど⋯⋯

 人格OverDrive の著者は内部的には author と tag に分かれていて前者を後者にリダイレクトすることで見かけ上統合している以前は ActivityPub 対応していたので別々にせざるを得なかったまた ActivityPub 対応に戻すことを考えている寄稿者をフォローすれば Mastodon や Misskey のタイムラインに人格OverDrive の記事が表示されリプライすれば人格OverDrive ではコメントとして表示されるそのために戻そうと試行錯誤していたそうすると tag に author へのリンクをカスタムフィールドで設定してそこに入力があれば author へリダイレクトするように誂えなければならないauthor のウェブサイトを tag に設定しているからリダイレクト先でまたリダイレクトされるようなおかしな流れが生じる人格OverDrive では書籍単行本のメタファを使っていてそれと記事単体の両方が表示されるのは UI の一貫性という観点からよくない著者に tag と author が混在するのがそもそも不自然で気に入らないそして作業量を考えたら気が遠くなっためんどくさすぎる以前のテンプレートを二度と使うまいと判断して消去してしまったのが悔やまれるしかしあのときの判断がまちがっていたとは思わない不自然なことはしないほうがいいなるべく簡素にまとめたい何かいい方法はないかtag のほうに author のフィードを表示させることはできないかただ記事一覧を表示させるだけなら可能だけれどフィード的な情報がどうなるのかわからない技術的なことに疎いおれの理解では ActivityPub は RSS フィードの発展形みたいなもんで要はそれが読めるようになっていればいいはずだ丸一日試行錯誤してあきらめたそこまでして ActivityPub 対応する意味もないか⋯⋯更新通知ていどの意味しかないんだし

 前よりも整合性のあるすっきりした UI がどうしても考えつかなかったうちでは連載を本に見立てている=綴/閉じている)。 記事は本の一部なので記事単体で見せるやり方=ソーシャル/ひらかれているになじまない本は言葉ないしそれに類するものをパッケージしたものなのだけれどそれを紙も epub も使わずに概念だけでやっている具体的には書影のメタファとリダイレクトでやっているこれをやっているのは世界でおれだけなのでいまここに書いたことの価値はおれにしか理解できないそれがちょっと寂しい


(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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