イシュマエル・ノヴォーク

第3話: リトルロック空港

書いた人: イシュマエル・ノヴォーク, 投稿日時: 2021.08.13

空港のバーラウンジで欠伸を噛み殺したコッパードは飛行機酔い止めのブランデーを飲みながらボーズ社製スピーカーから流れるザ・フーのババ・オライリーに耳を傾けているポニーテールの女性バーテンダーと目が合い彼女が笑顔を浮かべたコッパードが
ビル・クリントンは偉大な政治家だったと思う?と尋ねるとバーテンダーはホームドラマのコメディリリーフのように尖った鼻をピクつかせてそうねと答えた
多少だらしなかったとしても?
そうね多少だらしなかったでもババは偉大でアーカンソンの誇りよ
そういうものかな?
そうよそのうちこの空港も改名するかもねJFKみたいに
クリントン・アンド・ルインスキー空港になるのかな? それとも
 バーテンダーはコッパードに顔を近付けそれ以上は言わない方がいいわよと囁いたコッパードは唇に人差し指を滑らせ口を結ぶ真似をしたバーテンダーが笑顔でお利口ねと言った
ねぇ
ジャネットよ
ジャネット。 〈パーセプションって知ってる?
購買意欲の話? 私これでも大学でマーケティングを学んだの
違うよロックバンド七一年にヴォーカリストが死んで解散したんだ
 首を回したジャネットが知らないと言ったコッパードは髪を撫でると
古いけど中々いいバンドだよフライト中にリストがあればいいんだけどなぁとつぶやいた


『ロクス・ソルス』という同人小説サークルで活動しています。それから、ジャズピアノの演奏活動をしています。気が向くと絵を描いたりします。
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