杜 昌彦

D.I.Y.出版日誌

連載第291回: 独立出版愚連隊

杜 昌彦書いた人: 杜 昌彦, タグ:
2020.
10.21Wed

独立出版愚連隊

リンク経由の売上が発生したおかげでPA-APIが一時的に使えるようになった。ところが上限数に達するのが早すぎてやはり使いものにならない。深夜にコメントアウトをはずし、昼前に問題なく表示できたのを確かめてから出勤し、退勤後に地下鉄内でチェックしたときには問題なく取得できていたのに、日付が変わる少し前に帰宅して確かめたらエラーになり表示が崩れていた。しわい、吝すぎる。取得できないならできないで空白を返すような分岐を書くべきなのだが何の知識もなくコピペとトライ&エラーでやっているからどうにもならない。こういうところが所詮は素人だ。出版もウェブサイト運営も(ウェブサイトもわたしにとっては出版の一環なのだが)虚仮の一心でやってきた。コーディングは右クリックから教えるような職業訓練で習った程度だしデザインは独学だ。肝心の頭だって遺伝と環境に起因する障害があり、この文章からもうかがわれる通り、どうも境界領域(福祉の厄介になれない程度)の知的障害があるらしい。知識のある方にはさぞかし愚かしく見えることだろう。読んだ方全員から失笑されているのは知っている。寄稿者のみなさんがウェブ系の技術者であったり大学の英文学の先生であったり経営者だったりプロのライターだったりジャズピアニストであったりするなかで、わたしだけが何者でもない。やばいやつの遺伝子を受け継いで、ふつうなら発狂するか自殺するか犯罪者になるしかない環境で育ち、だれからも蔑まれるくそ野郎に仕上がりながらも、(悪い意味の)何者にもならなかっただけで充分誇りに思ってはいる。さておきPA-APIがだめならほかのAPIを検討すべきだろうか。しかしこれまでの膨大な記事にISBNを入力し直すのはむりだ。それにISBNが必ず存在するとはかぎらない。電子版にISBNを付与するならストアごとに別の番号を割り振らねばならない。そんなことをする意味はないので大手出版社であっても個人による自主出版と同じく、電子版にはISBNが付与されない。したがってISBNベースで情報を取得するAPIは時代にそぐわず実用性に乏しい。かといってASINは一企業が勝手に割り振っている番号にすぎない。何をキーにして取得すればいいのかという話になる。実際に試してみたらOpenBDでは自著の情報が取得できなかった。OpenBDは版元ドットコムの会員でないと利用できず、会員になるにはよく憶えていないが確か、取次との取引実績が必要だった。制限どころか完全に門前払いだった(ただしそのことを説明してくれた担当の方はとても親切で感じがよかった。けっしてわたしに恥ずかしい思いをさせることなく、場違いである事実をわかりやすく説明してくれた。客対応の鑑だと思う)。この辺の試行錯誤は三年以上前なんで詳しいことは忘れた。出版情報登録センターは登録できる書誌情報に制限というか差別があり、たしか取次コードがなければ書影を登録できない仕様だったはずだ。実際どうであったか確かめようとしたらログインできなくなっていた。理由はわからない。いずれにせよまともに取得できない情報にいつまでもこだわっていても仕方がない。人格OverDriveの出版物を適切な客層に届けることができればそれでいい。書誌情報の取得と表示はそのための手段でしかない。望む客層へのアクセスのためにアクセス解析や自著の販売実績を調べている。twitter広告をちょいちょい利用しながら極めて頻繁に(つまり現在のオール・トゥモロウズ・パーティーズなみに)ツイートしていた時期は安定して4000円前後の売上がつづいていた。7月にツイートを控えはじめ8月にtwitterを退会した。7月から今月に至るまでずっと1500円前後の月がつづいている。……と思ったが念のために支払履歴を調べたら7月にもtwitter広告を利用していた。7月の広告には効果がなかったということだ。頻繁なツイート(あるいは頻繁なフォローも含めた活動頻度全般かもしれない)との組み合わせで初めて広告に効果が出るらしい。あるいは広告に効果はなくtwitterでの活動頻度こそが主因なのか。であるならばtwitterを再開するのが販促の正解となるがあと数年は利用するつもりはない。もし次に利用する機会があるとすればそれは機械的な運用を試すときだ。健常者のように人間性を排除したゲーム的なスキルで利用できるように将来的にはなりたいと願っている。ただしそれはいまではない。ATPにしても思いつきを垂れ流すこと、それによって作家のアクティヴィティをコンテンツ化することを目的として利用している。書くことと読むことは相互の一方通行であって交流ではないと思うし、わたしの求めているのは交流ではない。しかしインターネットでは結局のところソーシャルな交流すなわち世渡りが巧みでなければ何事もなし得ないのかもしれない。遺伝的にも環境的にも知能的にもやばいくそ野郎であるわたしだから月4000円が限度だが、健常者ならソーシャルメディア上でただありのままにふるまうだけで桁がひとつふたつ違っていただろう。金のためにやっているわけではないが金は重要な指標となる。わたしはどこへ行っても迷惑なくそ野郎でしかない。本来なら人目につかぬよう黙ってじっとインターネットを使わず表にも出ずに餓死を待つべきなのはわかっている。あいにくと死ねば死んだで後始末でだれかに迷惑をかけるし所詮は気違いのくそ野郎だ。であればせいぜいやりたいようにやるしかない。


(もり まさひこ、1975年6月18日 -)著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、藤井太洋氏、十市社氏らによる指導を受けた『悪魔とドライヴ』が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。最新作は『ぼっちの帝国』。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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