D.I.Y.出版日誌

連載第289回: 独立出版愚連隊

アバター画像書いた人: 杜 昌彦
2020.
10.21Wed

独立出版愚連隊

リンク経由の売上が発生したおかげで PA-API が一時的に使えるようになったところが上限数に達するのが早すぎてやはり使いものにならない深夜にコメントアウトをはずし昼前に問題なく表示できたのを確かめてから出勤し退勤後に地下鉄内でチェックしたときには問題なく取得できていたのに日付が変わる少し前に帰宅して確かめたらエラーになり表示が崩れていたしわ吝すぎる取得できないならできないで空白を返すような分岐を書くべきなのだが何の知識もなくコピペとトライ&エラーでやっているからどうにもならないこういうところが所詮は素人だ出版もウェブサイト運営もウェブサイトもわたしにとっては出版の一環なのだが虚仮の一心でやってきたコーディングは右クリックから教えるような職業訓練で習った程度だしデザインは独学だ肝心の頭だって遺伝と環境に起因する障害がありこの文章からもうかがわれる通りどうも境界領域福祉の厄介になれない程度の知的障害があるらしい知識のある方にはさぞかし愚かしく見えることだろう読んだ方全員から失笑されているのは知っている寄稿者のみなさんがウェブ系の技術者であったり大学の英文学の先生であったり経営者だったりプロのライターだったりジャズピアニストであったりするなかでわたしだけが何者でもないやばいやつの遺伝子を受け継いでふつうなら発狂するか自殺するか犯罪者になるしかない環境で育ちだれからも蔑まれるくそ野郎に仕上がりながらも、 (悪い意味の何者にもならなかっただけで充分誇りに思ってはいるさておき PA-API がだめならほかの API を検討すべきだろうかしかしこれまでの膨大な記事に ISBN を入力し直すのはむりだそれに ISBN が必ず存在するとはかぎらない電子版に ISBN を付与するならストアごとに別の番号を割り振らねばならないそんなことをする意味はないので大手出版社であっても個人による自主出版と同じく電子版には ISBN が付与されないしたがって ISBN ベースで情報を取得する API は時代にそぐわず実用性に乏しいかといって ASIN は一企業が勝手に割り振っている番号にすぎない何をキーにして取得すればいいのかという話になる実際に試してみたら OpenBD では自著の情報が取得できなかったOpenBD は版元ドットコムの会員でないと利用できず会員になるにはよく憶えていないが確か取次との取引実績が必要だった制限どころか完全に門前払いだったただしそのことを説明してくれた担当の方はとても親切で感じがよかったけっしてわたしに恥ずかしい思いをさせることなく場違いである事実をわかりやすく説明してくれた客対応の鑑だと思う)。 この辺の試行錯誤は三年以上前なんで詳しいことは忘れた出版情報登録センターは登録できる書誌情報に制限というか差別がありたしか取次コードがなければ書影を登録できない仕様だったはずだ実際どうであったか確かめようとしたらログインできなくなっていた理由はわからないいずれにせよまともに取得できない情報にいつまでもこだわっていても仕方がない人格 OverDrive の出版物を適切な客層に届けることができればそれでいい書誌情報の取得と表示はそのための手段でしかない望む客層へのアクセスのためにアクセス解析や自著の販売実績を調べているtwitter 広告をちょいちょい利用しながら極めて頻繁につまり現在のオール・トゥモロウズ・パーティーズなみにツイートしていた時期は安定して 4000 円前後の売上がつづいていた7 月にツイートを控えはじめ 8 月に twitter を退会した7 月から今月に至るまでずっと 1500 円前後の月がつづいている⋯⋯と思ったが念のために支払履歴を調べたら 7 月にも twitter 広告を利用していた7 月の広告には効果がなかったということだ頻繁なツイートあるいは頻繁なフォローも含めた活動頻度全般かもしれないとの組み合わせで初めて広告に効果が出るらしいあるいは広告に効果はなく twitter での活動頻度こそが主因なのかであるならば twitter を再開するのが販促の正解となるがあと数年は利用するつもりはないもし次に利用する機会があるとすればそれは機械的な運用を試すときだ健常者のように人間性を排除したゲーム的なスキルで利用できるように将来的にはなりたいと願っているただしそれはいまではないATP にしても思いつきを垂れ流すことそれによって作家のアクティヴィティをコンテンツ化することを目的として利用している書くことと読むことは相互の一方通行であって交流ではないと思うしわたしの求めているのは交流ではないしかしインターネットでは結局のところソーシャルな交流すなわち世渡りが巧みでなければ何事もなし得ないのかもしれない遺伝的にも環境的にも知能的にもやばいくそ野郎であるわたしだから月 4000 円が限度だが健常者ならソーシャルメディア上でただありのままにふるまうだけで桁がひとつふたつ違っていただろう金のためにやっているわけではないが金は重要な指標となるわたしはどこへ行っても迷惑なくそ野郎でしかない本来なら人目につかぬよう黙ってじっとインターネットを使わず表にも出ずに餓死を待つべきなのはわかっているあいにくと死ねば死んだで後始末でだれかに迷惑をかけるし所詮は気違いのくそ野郎だであればせいぜいやりたいようにやるしかない


(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。