杜 昌彦

D.I.Y.出版日誌

連載第280回: いんちき装幀家の冒険

杜 昌彦書いた人: 杜 昌彦, タグ:
2020.
10.01Thu

いんちき装幀家の冒険

ちゃんとした教育を受けていないし、道具もアマチュア用の粗末なものでしかないので、しょせんは素人のお遊びでしかないのは自覚している。しかしね、努力と根性だけでここまでやってるわけですよ。出版に対するこの努力は評価されてもいいのでは。ここまできたらgoogleとFacebookでウェブサイトの広告をはじめてもいいかもしれないな。これまでは自著の広告しか出したことがない。記事下部の広告スペースにもいずれランダムで刊行物の広告を表示する。現状は自著しか刊行していないから自著の広告になるが、ゆくゆくは寄稿作品の単行本化も手がけたい。大切な原稿を預かっていて、しかもわざわざ書き下ろしてもらっているのだから、原稿料は出せないにしても何らかの見返りが必要だ。彼らのブランディングに寄与しなければならない。これまでに作成した「書影」(連載のアヴァターみたいなもの)で若林さんのだけが地味だ。できればもっと目を惹くものに変えたいのだけれど、指定画像が白黒の風景写真であるのと、作風とを考え合わせるとあまり冒険はできない。イシュマエル氏はジャズピアニストなので、彼のはリード・マイルス(Blue Noteのデザイナー)のパロディで調和したし、新シリーズのほうは画家としての彼自身の作品にあわせて、あの方向でまちがっていないと思う。うへ氏のもあれでいいはずだ。柳楽先生のは相談せずにこちらで勝手に決めたが、原著のパロディという考えは悪くないと信じる。諸屋さんのもうまくやれたと思う。白黒写真を使って何かやる、となるとついリード・マイルスの真似をしたくなるのだけれど、若林さんの作風にジャズは合わない。デザイン上の必然性がない。たぶんほかの寄稿作品に対しては自分なりの理解がある程度できているけれど、あの「書影」だけいまひとつ踏み込めていないような気がする。自分なりの愛し方が定まっていれば、勝手な決めつけもわたし自身の責任において選択できる。著者には悪いけれど、でもおれはこう読んだんだ、と宣言できる。とにかく人格OverDriveではまだやれる余地がいくらでも残されているように感じている。


(もり まさひこ、1975年6月18日 -)著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、藤井太洋氏、十市社氏らによる指導を受けた『悪魔とドライヴ』が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。最新作は『ぼっちの帝国』。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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