D.I.Y.出版日誌

連載第226回: 好みの本を見つけるために

杜 昌彦書いた人: 杜 昌彦, タグ:
2019.
10.31Thu

好みの本を見つけるために

お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ! 年中Beatlesのコスプレをしているのにだれにも気づいてもらえない杜昌彦です。昨夜は作風のマッピングの話をした。もうちょい掘り下げたい。夢想されたそのサイトでは著者もしくは読者(どちらでもいい)が最小限の情報を登録し、作風にかかわるタグを付与するだけでタグクラウド的な分布図が作成される。ASINの登録だけで書影、書名、著者名、紹介文を取得するようにもできるが、そうした場合アソシエイト収益がなければすべて表示されなくなる。電子版だと価格は取得できない。価格を表示することにメリットはないのでこれは問題にならない。書影はamazonからの取得ではogpにならない。アソシエイト収入がない際に表示もみすぼらしくなる。書影、書名、著者名、紹介文くらいは別個に登録してもらうべきかもしれない。登録フォームを作成し、twitterアカウントでログインしてだれでも気軽に登録できるようにする。ただ登録するのではなく作風にかかわるタグを付与してもらう。それによって関連付けや分布図を表示させる(分布図を表示させる手段は現状は存在しない)。ある本を気に入った読者はこの関連付けで似た傾向の本を探せる。ストアの分類が雑すぎて機能していないのをこれで補える。本の登録を行うユーザはBuddyPressのアクティヴィティやグループで情報交換ないし技能の貸し借りをする。あらかじめ運営が装幀、校正・校閲、編集、販促、税対策などのグループ(話し合いの場)を作成しておき、そこで議論してもらうようにする。もちろんアクティヴィティで単なる無駄話もできる。運営に参加したい希望者は連載小説やレビュー記事の企画など、いくつかのアピール資料を用意して申請する。認可されれば投稿者権限を付与される。連載小説は人格OverDriveで試した縦書き連載テンプレートを流用する。ユーザはふたつの階層に明確に分かれる。以前構想したサイトではキュレーションを人力に頼った。失敗だった。夢想上のサイトではASINないしプラスアルファ程度の情報を登録するだけであとは自動的に処理される。読み物としてのコンテンツのみ人力に依存し、その部分だけが選ばれたユーザによって行われる。三年前はインディ小説のブランディングとその見本としてのスター作家の選出および演出、そのためのバックヤードでの品質向上、バックヤード自体を見世物としてコンテンツ化する演出、見本を提示した上での広く浅い(口実としての、あるいは成果物としての)ランキングイベント、などなどを計画していたのだが、それらはあくまでKU以前の状況における構想だった。現在ではその大半が意味を成さない。いまやるのであればお楽しみコンテンツのみ編集者の意図が強くはたらいたキュレーションを行い、あとはASINとタグの登録による自動的な作風分布を提示するのがよさそうだ。何のために? 読者が好みの本を見つけるためだ。現状のストアはそれができていない。「本の網」で理想通りの精度を実現できたらやってみてもいい。いまではない。Facebookの過去投稿を見るかぎりおれは概ね三年のスパンで夢想を実現している。いま書いた夢想は三年後には当たり前のものにできていそうだ。ディスカバラビリティは人力のキュレーションに頼るべきではない。過去の失敗でそれは明確だ。不特定多数による気軽なクリックの集積が結果的にだいたいの位置づけを示すに至るのがよい。何よりも読者の都合のためにそれが必要だと考えている。WordPressをうまく使えば実現できるのはわかっている。まだ何か書き忘れたような気もするが酔っ払ったしアテも尽きたのでこの辺にする。おやすみ全世界!


(もり まさひこ、1975年6月18日 -)著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、藤井太洋氏、十市社氏らによる指導を受けた『悪魔とドライヴ』が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。最新作は『ぼっちの帝国』。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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