杜 昌彦

D.I.Y.出版日誌

連載第130回: 印刷と広告

杜 昌彦書いた人: 杜 昌彦, タグ:
2018.
04.19Thu

印刷と広告

KDP Printが発表されてから長いが日本ではいまだ利用できない。今後も可能性はないだろう。日本の業者を試したが役に立たなかったのでCreateSpaceを使っている。書影の不具合修正を依頼したらまた画像が消えた。前にやったように著者セントラルからアップロードしたら拒否された。「最近送信した画像は拒否されました。以下の問題を修正してから、再度画像をアップロードしてください:Image previously accepted/rejected」と警告文が表示される。何度やっても同じだ。翌日には著者セントラル自体の表示がおかしくなった。著者セントラル>本>Devil Gate Driveを表示しただけで「リクエストが処理できません」と出る。アップロードも受けつけてもらえない。

そもそもが日本語に対応していないサービスだから無理がある。毎回ちがう問題に出くわす。運営側でも何が起きているか把握していない。再プロセスまで3〜5営業日待てといわれている。著者セントラルから自分で画像をアップロードしないかぎりはいくら待っても書影が消えたままなのが経験からわかっている。CreateSpace、KDP、著者セントラル、Amazon商品ページは管轄がそれぞれ別だ。今回のケースは著者セントラルの不具合に見えるが、著者セントラルに訊いても窓口はうちじゃないといわれるだけだし、CreateSpaceに訊いてもうちはちゃんとやってると主張されるだけだ。ダメ元で長文のメールを書いて、送信前に商品ページを見たら画像が正常に表示されていた。

Facebook広告は二年前からちょこちょこ試している。流れてきた投稿を読まずに「いいね」する層によって反応は主に得られる。「いいね」がついていたら華やかに見えるというだけの理由でやっている。あくまで自己満足のためだ。一日の費用は500円でも100円でも得られる効果は変わらない。焦って短期的な効果を得ようとしても無駄だ。それよりも低コストで長くつづけたほうがいい。Facebookページはサイトの検索順位を上げるためにはじめた。告知にも使っている。日記のリンクを投稿すると広告の反応が悪くなる。本の紹介記事だけに留めるべきかもしれない。とはいえ明確な傾向が見て取れるほどの反応はない。日々の変動はおそらく誤差の範囲でしかない。水曜日の反応はつねに悪い気がするが、それもたまたまかもしれない。

Facebook広告、google analytics、それにAmazonの利用を通じていつも感じるのは客層の偏りだ。性差別主義でペドフィリアの、アニメとゲームを好む男性が、この国では電子書籍の主な顧客のように思える。元年と呼ばれてから八年、黒船来航から六年も経つのに、一般的な読者層にはいまだ浸透していない。そもそもインターネットで発言力、影響力があるのは偏った層という気がする。アニメ・ゲーム好きであること自体には何の問題もない。ただし影響力によってはその価値観ばかりが正義とされ、読書や出版のありようを偏らせる可能性がある。性差別主義やペドフィリアは論外だ。もちろんこのサイトや自著が望む読者に届いていないだけの話ではあるけれど、そればかりともいえない気がしている。


(もり まさひこ、1975年6月18日 -)著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、藤井太洋氏、十市社氏らによる指導を受けた『悪魔とドライヴ』が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。最新作は『ぼっちの帝国』。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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