D.I.Y.出版日誌

連載第128回: 印刷と広告

アバター画像書いた人: 杜 昌彦
2018.
04.19Thu

印刷と広告

KDP Print が発表されてから長いが日本ではいまだ利用できない今後も可能性はないだろう日本の業者を試したが役に立たなかったので CreateSpace を使っている書影の不具合修正を依頼したらまた画像が消えた前にやったように著者セントラルからアップロードしたら拒否された。 「最近送信した画像は拒否されました以下の問題を修正してから再度画像をアップロードしてください :Image previously accepted/rejectedと警告文が表示される何度やっても同じだ翌日には著者セントラル自体の表示がおかしくなった著者セントラル >本 >Devil Gate Drive を表示しただけでリクエストが処理できませんと出るアップロードも受けつけてもらえない

そもそもが日本語に対応していないサービスだから無理がある毎回ちがう問題に出くわす運営側でも何が起きているか把握していない再プロセスまで 3 〜 5 営業日待てといわれている著者セントラルから自分で画像をアップロードしないかぎりはいくら待っても書影が消えたままなのが経験からわかっているCreateSpaceKDP著者セントラルAmazon 商品ページは管轄がそれぞれ別だ今回のケースは著者セントラルの不具合に見えるが著者セントラルに訊いても窓口はうちじゃないといわれるだけだしCreateSpace に訊いてもうちはちゃんとやってると主張されるだけだダメ元で長文のメールを書いて送信前に商品ページを見たら画像が正常に表示されていた

Facebook 広告は二年前からちょこちょこ試している流れてきた投稿を読まずにいいねする層によって反応は主に得られる。 「いいねがついていたら華やかに見えるというだけの理由でやっているあくまで自己満足のためだ一日の費用は 500 円でも 100 円でも得られる効果は変わらない焦って短期的な効果を得ようとしても無駄だそれよりも低コストで長くつづけたほうがいいFacebook ページはサイトの検索順位を上げるためにはじめた告知にも使っている日記のリンクを投稿すると広告の反応が悪くなる本の紹介記事だけに留めるべきかもしれないとはいえ明確な傾向が見て取れるほどの反応はない日々の変動はおそらく誤差の範囲でしかない水曜日の反応はつねに悪い気がするがそれもたまたまかもしれない

Facebook 広告Google analyticsそれに Amazon の利用を通じていつも感じるのは客層の偏りだ性差別主義でペドフィリアのアニメとゲームを好む男性がこの国では電子書籍の主な顧客のように思える元年と呼ばれてから八年黒船来航から六年も経つのに一般的な読者層にはいまだ浸透していないそもそもインターネットで発言力影響力があるのは偏った層という気がするアニメ・ゲーム好きであること自体には何の問題もないただし影響力によってはその価値観ばかりが正義とされ読書や出版のありようを偏らせる可能性がある性差別主義やペドフィリアは論外だもちろんこのサイトや自著が望む読者に届いていないだけの話ではあるけれどそればかりともいえない気がしている


(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。