D.I.Y.出版日誌

連載第47回: 印刷版と販売サイト構築

アバター画像書いた人: 杜 昌彦
2017.
05.11Thu

印刷版と販売サイト構築

悪魔とドライヴ印刷版は日本の Amazon になかなか反映されませんでした独自 ISBN を付与した弊害かもしれませんFacebook の投稿を調べたら旧版は 10/23 に刊行され翌日には日本でも売られていましたさらに翌日には Kindle 版とペイパーバック版が紐付けられ併記されていました素直に CreateSpace の無料 ISBN を使えば販路も増えますCreateSpace ないし KDP Print が日本に来ることがあればその可能性は薄いと思いますISBN の扱いはどうなるのでしょうか無料で使えるようになるとは思えませんし日本の制度上CS や Amazon を通じて ISBN を取得するサービスも考えにくいと思います

日本の Amazon はずいぶん既存の出版流通システムに気を遣っている印象がありますKU の件では叩かれていたようですが実際には契約条件が満たせなくなるから読み放題の適用を外したいわば売り方を変えただけで別に契約違反でもなければ横暴でもなかったように感じますあるいは出版社よりも取次に配慮しているのかもしれませんCreateSpace は海外サービスなので何かとデメリットがありますところが日本で Amazon の POD を利用するには出版社取引コードなるものが要求されます取次から取引先として認められなければ POD が使えないのですAmazon は出版社との直取引を増やそうとしているそうですが現段階では相手や状況に応じて顔を使い分けているのでしょう

Amazon は返信よりも実際の対応を優先します。 『悪魔とドライヴ印刷版はCreateSpace に問い合わせた直後に日本のストアにも並びました数時間後に届いた返信には拡大配信チャネルを通じて書籍を購入した小売業者の裁量に委ねられており今後も利用可能であることや将来のタイトルが日本で利用可能になることは保証できませんGoogle による和訳)」 とあります窓口が日本の著者セントラルに変わったと判断しましたCreateSpace はこれまでも寛大に対応してくれました右綴じ本は逆順 PDF で入稿するため通常なら裏表紙が商品ページに表示されますがつたないメールに快く応じてくれました日本の Amazon も同様にさまざまな要望に応じてくれましたそこで商品ページに日本語を表示してほしい旨を日本の著者セントラルに駄目元でメールしましたおそらく CreateSpace は管轄外だといわれるでしょう

セルフパブリッシング概論にも書きましたが独立系出版レーベルとしては本を売りつつ著者の日常的な思考や活動を見せたいところです読者が参加できるようにすれば交流の場にもなりますところが eBook 販売用のテーマに BuddyPress を前提としたものはまず見かけませんなので BuddyPress や WooCommerce に対応した eBook ストア用のテーマをつくりたいと考えていますしかし複雑にはしたくありませんシンプルでありながら愉しく回遊できるようにしたいのです正直にいえば出版と読書を楽しむためのポータルサイトをつくりたい気持や独立出版レーベルとして他人の本を手がけたい気持はまだありますけれども他人と関わるのはリスクが高すぎると学びました自分ひとりで次に何をやれるか物販にも興味がありますT シャツとかマグカップとか注文をとって振込を確認して作成サービスに発注して客の住所に送付⋯⋯と考えると手間がかかりすぎて現実味に欠けます

【追記】

著者セントラルより返信。 「出版社様にてご対応いただく箇所とのことCreateSpace で駄目なら駄目ということのようですまた一方ではランディングページまで用意しておきながら日本の Amazon としては公式には CreateSpace は存在しないことになっている模様CreateSpace にもおなじ要望を出していますがフォームからの入力は文字化けで伝わらない可能性がありますそもそも日本語に対応していないサービスなので仕方ありませんね何か方法がありそうな気もしますが日本で印刷版のサービスがはじまる可能性は低いのでどうにかしたいところです

【追記 2 】

CreateSpace より返信。 「うちの管轄ではないので Amazon.co.jp に訊いてくださいとのことAmazon.co.jp 側では CS の管轄と主張しているのでこれはもう無理のようです

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(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。