『悪魔とドライヴ』印刷版は日本の Amazon になかなか反映されませんでした。独自 ISBN を付与した弊害かもしれません。 Facebook の投稿を調べたら旧版は 10/23 に刊行され翌日には日本でも売られていました。さらに翌日には Kindle 版とペイパーバック版が紐付けられ、併記されていました。素直に CreateSpace の無料 ISBN を使えば販路も増えます。 CreateSpace ないし KDP Print が日本に来ることがあれば(その可能性は薄いと思います) ISBN の扱いはどうなるのでしょうか。無料で使えるようになるとは思えませんし、日本の制度上、 CS や Amazon を通じて ISBN を取得するサービスも考えにくいと思います。
日本の Amazon はずいぶん既存の出版流通システムに気を遣っている印象があります。 KU の件では叩かれていたようですが、実際には契約条件が満たせなくなるから読み放題の適用を外した(いわば売り方を変えた)だけで、別に契約違反でもなければ横暴でもなかったように感じます。あるいは出版社よりも取次に配慮しているのかもしれません。 CreateSpace は海外サービスなので何かとデメリットがあります。ところが日本で Amazon の POD を利用するには出版社取引コードなるものが要求されます。取次から取引先として認められなければ POD が使えないのです。 Amazon は出版社との直取引を増やそうとしているそうですが、現段階では相手や状況に応じて顔を使い分けているのでしょう。
Amazon は返信よりも実際の対応を優先します。『悪魔とドライヴ』印刷版は、 CreateSpace に問い合わせた直後に日本のストアにも並びました。数時間後に届いた返信には「拡大配信チャネルを通じて書籍を購入した小売業者の裁量に委ねられており、今後も利用可能であることや将来のタイトルが日本で利用可能になることは保証できません( Google による和訳)」とあります。窓口が日本の著者セントラルに変わったと判断しました。 CreateSpace はこれまでも寛大に対応してくれました。右綴じ本は逆順 PDF で入稿するため、通常なら裏表紙が商品ページに表示されますが、つたないメールに快く応じてくれました。日本の Amazon も同様にさまざまな要望に応じてくれました。そこで商品ページに日本語を表示してほしい旨を、日本の著者セントラルに駄目元でメールしました。おそらく CreateSpace は管轄外だといわれるでしょう。
『セルフパブリッシング概論』にも書きましたが、独立系出版レーベルとしては本を売りつつ、著者の日常的な思考や活動を見せたいところです。読者が参加できるようにすれば交流の場にもなります。ところが eBook 販売用のテーマに BuddyPress を前提としたものはまず見かけません。なので BuddyPress や WooCommerce に対応した eBook ストア用のテーマをつくりたいと考えています。しかし複雑にはしたくありません。シンプルでありながら愉しく回遊できるようにしたいのです。正直にいえば、出版と読書を楽しむためのポータルサイトをつくりたい気持や、独立出版レーベルとして他人の本を手がけたい気持はまだあります。けれども他人と関わるのはリスクが高すぎると学びました。自分ひとりで次に何をやれるか。物販にも興味があります。 T シャツとかマグカップとか。注文をとって振込を確認して作成サービスに発注して客の住所に送付⋯⋯と考えると、手間がかかりすぎて現実味に欠けます。
【追記】
著者セントラルより返信。「出版社様にてご対応いただく箇所」とのこと。 CreateSpace で駄目なら駄目ということのようです。また一方ではランディングページまで用意しておきながら、日本の Amazon としては公式には CreateSpace は存在しないことになっている模様。 CreateSpace にもおなじ要望を出していますが、フォームからの入力は文字化けで伝わらない可能性があります。そもそも日本語に対応していないサービスなので仕方ありませんね。何か方法がありそうな気もしますが。日本で印刷版のサービスがはじまる可能性は低いので、どうにかしたいところです。
【追記 2 】
CreateSpace より返信。「うちの管轄ではないので Amazon.co.jp に訊いてください」とのこと。 Amazon.co.jp 側では CS の管轄と主張しているのでこれはもう無理のようです。
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