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午前六時半。一本の電話が私立探偵フィリップ・マーロウを眠りから覚まさせる。それは、列車で到着するはずの若い女を尾行せよとの依頼だった。依頼主の高圧的な態度に苛立ちながらも、マーロウは駅まで出向く。女はすぐに姿を現すが、彼女には不審な男がぴったりとまとわりつき―。“私立探偵フィリップ・マーロウ”シリーズ、長篇第七作。新訳版。

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著者:レイモンド・チャンドラー

(1888年7月23日 - 1959年3月26日)1932年、大恐慌で石油会社の職を失い、翌年『ブラック・マスク』誌にて短篇「ゆすり屋は撃たない」でデビュー。1939年には処女長篇『大いなる眠り』を発表。1953年『ロング・グッドバイ』でMWA最優秀長篇賞を受賞。1959年没。享年70。

レイモンド・チャンドラーの本
2017.
09.05Tue

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この装幀はひどい。村上訳はいいです。清水訳も悪くないけれども、もっとよく伝わる。要は女に去られて滅入った男が、似たような寂しさを抱えた女たちと寝てみたりしたけれども、やっぱり忘れられませんでしたというだけの話なんです。大恋愛の末に結ばれた18歳上の女に先立たれ、自暴自棄になり、自分にもそう長い時間は残されていないのを悟った老人が、マーロウものに仕立てればとりあえずカネにはなるとでも思ったのか、没になった脚本をどうにか活かそうとして苦闘した結果、こんな代物ができあがった。そう思って読んでみてくださいよ、老いてなお若い女へ執着し、金の力でどうにかしようとする老人への共感と侮蔑のまなざしや、ほほえましい若い男女への祝福の(そしてちょっぴり羨望の)まなざしの意味が、じんわり伝わってくるというものじゃありませんか。村上訳で読み返してわかったんですが、そして案外ちゃんと探偵小説になっている。


杜 昌彦

(もり まさひこ、1975年6月18日 -)著者、出版者。硬質な文体と独創的な物語で知られる。作風はアヴァン・ポップ、スリップストリーム、スペキュレイティブ・フィクションに分類される。2010年から別名義で活動。2013年日本電子出版協会(JEPA )主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、藤井太洋氏、十市社氏らによる指導を受けた『悪魔とドライヴ』が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。

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