編集日記

連載第14回: 2016年の読んだり書いたり

書いた人: ヘリマル, タグ:
2016.
12.30Fri

2016年の読んだり書いたり

何も書くことはないのですが、このまま一年を終えるのが寂しいし、少し読み物の記事を増やしておきたいので。2010年にこのサイトを立ち上げて出版をはじめました。それから6年間、オンデマンド出版、全作無料配信、集合知によるブラッシュアップ、ランディングページや公式SNSアカウントと連動したFacebook広告、作家性にもとづいた独立系著者のブランディングなど、さまざまな取り組みを行ってきました(それらの多くは役割を終え、現在は実施していません)。今年もっとも大きな出来事はKindle Unlimitedの開始です。音楽や映画を愉しむ機会を増やしてくれたSpotifyやHuluと較べると、KUは読者としてはさほど大きな変化にはなりませんでした。しかしながら出版者としては、9月にストアのカルーセル表示に選ばれたことで手にとっていただく機会が増えました。総じて読むこと、書くことを考えなおすきっかけとなった一年でした。

KU以降、強く感じるようになったのは本は商材であるということです。そもそも独立系出版を選択したのは、本は、あるいは言葉は、ひとを生かすための力だと信じたからです。売るのはより多くのひとに力を伝え広めるためだと。しかしやはり既存の出版のありようが正しく、時代によって売り方が変わりつつあるだけなのかもしれない。「顔の見える生産者」という表現がありますが、現代では言葉や物語よりも、「つながり」「絆」が何より先にあるのかもしれない。孤独なひとりひとりではなく、より普遍的な「時代」に求められるものをリサーチし、販売戦略も込みで商品開発する。それが「書く」ということであり、だれかを社会的に評価することが「読む」ということなのかもしれない。であれば独立系出版を選ぶ根拠は、ひとを生かすためではなく、単に時代に最適化された効率でしかなくなります。

2016年は読書分野を開拓したり、新たな本を出版したりはしませんでした。ですがその分、これまでに読んだ本、書いたものを整理することができました。おかげでWordPressやデザインの技術も向上しました。2017年は得られた成果をもとに発展させたいと考えています。


ヘリマル

ゆかいな犬