何も書くことはないのですが、 このまま一年を終えるのが寂しいし、 少し読み物の記事を増やしておきたいので。 2010 年にこのサイトを立ち上げて出版をはじめました。 それから6年間、 オンデマンド出版、 全作無料配信、 集合知によるブラッシュアップ、 ランディングページや公式 SNS アカウントと連動した Facebook 広告、 作家性にもとづいた独立系著者のブランディングなど、 さまざまな取り組みを行ってきました (それらの多くは役割を終え、 現在は実施していません)。 今年もっとも大きな出来事は Kindle Unlimited の開始です。 音楽や映画を愉しむ機会を増やしてくれた Spotify や Hulu と較べると、 KU は読者としてはさほど大きな変化にはなりませんでした。 しかしながら出版者としては、 9月にストアのカルーセル表示に選ばれたことで手にとっていただく機会が増えました。 総じて読むこと、 書くことを考えなおすきっかけとなった一年でした。
KU 以降、 強く感じるようになったのは本は商材であるということです。 そもそも独立系出版を選択したのは、 本は、 あるいは言葉は、 ひとを生かすための力だと信じたからです。 売るのはより多くのひとに力を伝え広めるためだと。 しかしやはり既存の出版のありようが正しく、 時代によって売り方が変わりつつあるだけなのかもしれない。 「顔の見える生産者」 という表現がありますが、 現代では言葉や物語よりも、 「つながり」 「絆」 が何より先にあるのかもしれない。 孤独なひとりひとりではなく、 より普遍的な 「時代」 に求められるものをリサーチし、 販売戦略も込みで商品開発する。 それが 「書く」 ということであり、 だれかを社会的に評価することが 「読む」 ということなのかもしれない。 であれば独立系出版を選ぶ根拠は、 ひとを生かすためではなく、 単に時代に最適化された効率でしかなくなります。
2016 年は読書分野を開拓したり、 新たな本を出版したりはしませんでした。 ですがその分、 これまでに読んだ本、 書いたものを整理することができました。 おかげで WordPress やデザインの技術も向上しました。 2017 年は得られた成果をもとに発展させたいと考えています。