映画版は際物アイドル女優のイメージビデオにすぎず、性的虐待を美化していますが、原作は犯罪あるいは呪いとして書いています。破滅的で陰鬱なノワール。恋は呪いでありときとして暴力による洗脳なのかもしれません。人間の感情は白黒つけられず、そう簡単に名付けられません。なんであれ害のあるものからは離れるべきだと思います。どんなに後ろめたくても。
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私の男
桜庭一樹 著
私は腐野花(くさりの・はな)。着慣れない安いスーツを身に纏ってもどこか優雅で惨めで、落ちぶれた貴族のようなこの男の名は淳悟(じゅんご)。私の男、そして私の養父だ。突然、孤児となった十歳の私を、二十五歳の淳悟が引き取り、海のみえる小さな街で私たちは親子となった。物語は、アルバムを逆からめくるように、花の結婚から二人の過去へと遡ってゆく。空虚を抱え、愛に飢えた親子が冒した禁忌、許されない愛と性の日々を、圧倒的な筆力で描く直木賞受賞作。
¥1,218
文藝春秋 2007年, 単行本 381頁
ジャンル: 道ならぬ恋, オールタイム・ベスト50
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2017.
09.11Mon
(1975年6月18日 -)著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『悪魔とドライヴ』が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。最新作は『ぼっちの帝国』。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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