映画版は際物アイドル女優のイメージビデオにすぎず、 性的虐待を美化していますが、 原作は犯罪あるいは呪いとして書いています。 破滅的で陰鬱なノワール。 恋は呪いでありときとして暴力による洗脳なのかもしれません。 人間の感情は白黒つけられず、 そう簡単に名付けられません。 なんであれ害のあるものからは離れるべきだと思います。 どんなに後ろめたくても。
ASIN: 4163264302
私の男
by: 桜庭一樹
私は腐野花(くさりの・はな)。着慣れない安いスーツを身に纏ってもどこか優雅で惨めで、落ちぶれた貴族のようなこの男の名は淳悟(じゅんご)。私の男、そして私の養父だ。突然、孤児となった十歳の私を、二十五歳の淳悟が引き取り、海のみえる小さな街で私たちは親子となった。物語は、アルバムを逆からめくるように、花の結婚から二人の過去へと遡ってゆく。空虚を抱え、愛に飢えた親子が冒した禁忌、許されない愛と性の日々を、圧倒的な筆力で描く直木賞受賞作。
¥1,000
文藝春秋 2007年, 単行本 381頁
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読んだ人:杜 昌彦
(2017年09月11日)
(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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