マイケル・マーシャル・スミス

1965年 -
米国の作家。1965年英国生まれ。米国、南アフリカ、オーストラリアなどで子ども時代を過ごしたのちケンブリッジ大学キングス・カレッジで哲学、社会学、政治学を学ぶ。『オンリー・フォワード』で英国幻想文学大賞およびPKD賞を受賞。

惨影

謎の殺戮組織“ストローマン”―その幹部だった双子の兄弟ポールの逮捕から五カ月、元CIAのウォードは、FBIの女性捜査官ニーナと共にワシントン州の山奥に潜伏していた。仲間の元刑事ザントは消息をたったままだ。そんなとき、護送中にポールが脱走したことが知らされる。さらに猟奇殺人が発生、ニーナは復職し、ウォードもまた独自の捜査でポールの行方を追うが―。一方、カルフォルニア州サンタ・バーバラ。組織は富裕層の麻薬ディーラーの若者を集めて、かつてない計画を画策していた…スティーヴン・キングを戦慄させた、圧倒的破壊力の奇想スリラー。

孤影

謎の殺戮組織ストローマンの拠点〈ザ・ホールズ〉は壊滅した。だが、莫大な富と有力なコネクションを誇る組織にとって、それは些細なダメージに過ぎなかった。いったいストローマンとは何者なのか?元CIAのウォードは、FBIのニーナと連携し、組織の幹部だった自分の兄弟の行方を追う。二人は容赦なく襲いかかる刺客を何とかかわしていたが……。一方、娘を組織に殺された元刑事のザントは孤独な単独捜査を続け、ストローマンの驚くべき真実に肉薄していた−大統領暗殺、ビックフットの謎がついに解き明かされる!

死影

「わたしたちは生きている」死んだはずの父から手紙を受け取った元CIAの男は、両親の行方を暗示する古いビデオを発見し、それを手がかりに捜索をはじめる。一方、愛娘を連続誘拐魔に殺された元刑事は、再び姿を現した犯人を捕らえるため違法の捜査に復讐の炎を燃やす。やがて、二人の男の必死の追跡は、億万長者だけが進入を許可される謎の共同体<ザ・ホールズ>で交わるが……。人類の転覆さえ視野にいれたあまりにグロテスクな陰謀が暴かれる!——フィリップ・K・ディック賞作家が描くサイコ・スリラー!

みんな行ってしまう

『スペアーズ』の鬼才が贈る、哀感と郷愁に満ちたSFホラー集。小品ながら忘れがたい味わいを残す表題作、奇跡の医療用ナノテクがもたらした人類の意外な終末「地獄はみずから大きくなった」、田舎町に暮らす不思議な絵描きを巻き込んだ事件を描いた英国幻想文学大賞受賞作「猫を描いた男」、巨大テーマパーク兼養老院での奇怪な冒険劇「ワンダー・ワールドの驚異」など12編。

ワン・オブ・アス

ハップ・トムスン―夜のあいだに人々の夢や記憶を処理する短期記憶人。彼は他人の記憶をほんの何時間か預かるだけで大金を稼いでいた。顧客が罪の意識を感じずに楽しいひと時を過ごすだけの時間だ。それで誰もが幸せだった。若く美しい女性が現われて、彼に殺人の記憶を預けたまま姿を消すまでは…はたして彼は、その記憶を頭から消し去ることができるのか。世界創造にまで迫るノワール・アドベンチャー。

スペアーズ

悪夢はここからはじまる…。フィリップ・K・ディック賞受賞作家による傑作近未来ミステリー
妻と子をむごたらしく殺されたときから、ジャック・ランドールの人生は坂を転がり落ちるように悪くなるばかりだった。勤めていた警察も辞め、自堕落な生活を送っていた彼が最後に行き着いた先、そこは“スペア”たちを飼育する「農場」と呼ばれる場所だった。自分より過酷な運命を背負うスペアたちに愕然とするジャック。しかしそこには、彼のハードでクールな魂をふたたび呼び覚ます者たちがいた! 近未来の壮絶な世界を、圧倒的な筆力で描いたノワール・スリラー。

オンリー・フォワード

スタークは、未来都市のトラブルシューター。彼だけが、ある特殊な能力を備えていた。あるとき彼は、誘拐された重要人物を探し出すよう依頼される。しかし、事件は単なる捜索だけでは終わらず、スタークは次々と新たなトラブルに巻き込まれていく。だが、スタークにもうあと戻りは許されない。オンリー・フォワード―すべてを終結させるために、ただ前進するしかないのだ。2001年フィリップ・K・ディック賞受賞作。