ラブラバ
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ラブラバ

「その映画スターは彼が生まれて初めて恋した相手だった。十二歳のときに」シークレット・サーヴィスの元特別捜査官で今は写真家のジョー・ラブラバは、かつての有名女優ジーン・ショーと出会った。憧れの女を目の前にして、彼の心は浮き立った。徐々に近づいていくふたりだが、ジーンの周りには財産狙いの悪党どもがたむろする。ラブラバは女の窮地を救うべく動き出すのだが…。陽光溢れるマイアミのサウスビーチを舞台に、巨匠が描き上げる男と女の影。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。待望の新訳版!


¥2,090
早川書房 2017年, 新書 368頁
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読んだ人:杜 昌彦

ラブラバ

巨匠にはずれなしウィリアム・ギブスンもニール・スティーヴンスンもみんな彼の影響を受けた彼の語りはほら吹きおじさんのユーモアを思わせる殺伐とした犯罪小説が苦手な方でも安心して読めるちょうどメイスン&ディクスンの牧師のおおげさな語りに子どもたちがうっそだあ!と喜ぶがごとく何も考えずただ身を任せて堪能すればいい年寄りの自覚がない小金持にただ与えられるだけじゃいや自分の才覚で勝ち取りたいのと小娘みたいにもってまわった甘え方をする五十過ぎの元女優当て馬大活躍の巻⋯⋯もちろんそんな主人公にも軌道修正してくれる可愛い女の子がいるのだけれどでたらめに生きてあっけなく殺される悪党のほうが主役よりも輝くなんてすてきな作風だろうおれたちの多くは人生の脇役に過ぎずそのことを恥じていてカメラを向けられるとむりにスターを演じようとするけれども作家はほんとうはスターでも主人公でもないからこその魅力を撮りたいのだその瞬間を見逃さない抜け目ない視点こそが作家なのだ

(2018年03月08日)

(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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エルモア・レナード
1925年10月11日 - 2013年8月20日

米国の作家。生々しい口語表現と独特のユーモア、活き活きとした人物造形の犯罪小説で知られる。1984年、『ラブラバ』でエドガー賞最優秀長篇賞。1991年にはMaximum Bobで第一回ハメット賞を受賞、1992年にはアメリカ探偵作家クラブ巨匠賞を受賞した。

エルモア・レナードの本