ラブラバ
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ラブラバ

「その映画スターは彼が生まれて初めて恋した相手だった。十二歳のときに」シークレット・サーヴィスの元特別捜査官で今は写真家のジョー・ラブラバは、かつての有名女優ジーン・ショーと出会った。憧れの女を目の前にして、彼の心は浮き立った。徐々に近づいていくふたりだが、ジーンの周りには財産狙いの悪党どもがたむろする。ラブラバは女の窮地を救うべく動き出すのだが…。陽光溢れるマイアミのサウスビーチを舞台に、巨匠が描き上げる男と女の影。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。待望の新訳版!

著者:エルモア・レナード

(1925年10月11日 - 2013年8月20日)米国の作家。生々しい口語表現と独特のユーモア、活き活きとした人物造形の犯罪小説で知られる。1984年、『ラブラバ』でエドガー賞最優秀長篇賞。1991年にはMaximum Bobで第一回ハメット賞を受賞、1992年にはアメリカ探偵作家クラブ巨匠賞を受賞した。

エルモア・レナードの本
2018.
03.08Thu

ラブラバ

巨匠にはずれなし。ウィリアム・ギブスンもニール・スティーヴンスンもみんな彼の影響を受けた。彼の語りはほら吹きおじさんのユーモアを思わせる。殺伐とした犯罪小説が苦手な方でも安心して読める。ちょうど『メイスン&ディクスン』の牧師のおおげさな語りに、子どもたちが「うっそだあ!」と喜ぶがごとく、何も考えずただ身を任せて堪能すればいい。年寄りの自覚がない小金持に、ただ与えられるだけじゃいや、自分の才覚で勝ち取りたいの、と小娘みたいにもってまわった甘え方をする五十過ぎの元女優。当て馬大活躍の巻……もちろんそんな主人公にも、軌道修正してくれる可愛い女の子がいるのだけれど。でたらめに生きてあっけなく殺される悪党のほうが主役よりも輝く。なんてすてきな作風だろう。おれたちの多くは人生の脇役に過ぎず、そのことを恥じていて、カメラを向けられるとむりにスターを演じようとする。けれども作家はほんとうは、スターでも主人公でもないからこその魅力を撮りたいのだ。その瞬間を見逃さない、抜け目ない視点こそが作家なのだ。


杜 昌彦

(もり まさひこ、1975年6月18日 -)著者、出版者。硬質な文体と独創的な物語で知られる。作風はアヴァン・ポップ、スリップストリーム、スペキュレイティブ・フィクションに分類される。2010年から別名義で活動。2013年日本電子出版協会(JEPA )主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、藤井太洋氏、十市社氏らによる指導を受けた『悪魔とドライヴ』が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。

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