スウィングしなけりゃ意味がない
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スウィングしなけりゃ意味がない

1939年ナチス政権下のハンブルク。軍需会社経営者である父を持つ15歳の少年エディは享楽的な毎日を送っていた。戦争に行く気はないし、兵役を逃れる手段もある。ブルジョワと呼ばれるエディと仲間たちが夢中なのは、“スウィング(ジャズ)”だ。だが、そんな永遠に思える日々にも戦争が不穏な影を色濃く落としはじめた…。権力と暴力に蹂躙されながらも、“未来”を掴みとろうと闘う人々の姿を、全編にちりばめられたジャズのナンバーとともに描きあげる、魂を震わせる物語。


¥260
KADOKAWA 2017年, 単行本 344頁
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読んだ人:杜 昌彦

スウィングしなけりゃ意味がない

ちょうどすべての見えない光の直後に読んだんですよねあっちはお上品にスマートフォンを貶してたけどこっちはまるでセルフパブリッシングの寓話猥雑で生活感があってよかったです中島京子小さいおうちとか小林信彦ぼくたちの好きな戦争とか思い出しましたねコニー・ウィリスブラックアウトとか戦時中を平時と切り離したファンタジーとして描くのではなく地続きの日常として淡々と語るのがいいですねそのほうが生活実感がある物事は実際にそんなふうに進行していくわけでふつうに暮らしていて気づいたらおかしなことになってるわけですからね

(2017年08月30日)

(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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AUTHOR


佐藤亜紀
1962年9月16日 -

2002年『天使』で第53回芸術選奨新人賞(平成14年度)受賞。2007年刊行の『ミノタウロス』は高い評価を受け、第29回吉川英治文学新人賞、2007年「本の雑誌が選ぶノンジャンルのベストテン」1位を受賞した。