杜 昌彦

D.I.Y.出版日誌

連載第177回: インターミッション

書いた人: 杜 昌彦, タグ:
2019.
02.24Sun

インターミッション

たまには小説ではなく日記を書こうと思うつづきじゃなくてがっかりした読者がひとりでもいれば嬉しい六日間の休みで五回分は書くつもりだったが四回が限界だった400 字詰め換算で 47枚枚数だけで考えればほぼ予定通りだ。 『逆さの月から 14歳の頃の文体に戻した日産 10枚は残念ながら当時から変わらない調子が出ればいくらでも書けるのだが人間であるからには買い物に出たりジムに行ったり洗濯をしたりしなければならないそれ以上に寝なければならないそして午前中は調子が出ない調子が出る頃にはジムに行く時間になっているジムから戻れば寝る時間が迫る今回は十年ぶりにプロットを用意した細部まで考えておけば楽に書けるかと思ったがそういうものでもないらしいむしろまるで考えていなかった場面のほうが捗るどうも言葉にひっぱられて書くたちであるらしい登場人物がどんな状況でどう行動するかというのは話を進める上であらかじめ地図に刺しておかねばならないピンのようなものでピンからピンへと糸をどう張り巡らすかは書かれた言葉が決めるようだ何も考えずにタイプした言葉が次の言葉を連れてくる進む先は決まっているけれど道のりは書いてみるまでまったく予想もしなかったものになる自分がそういう書き方をする人間だということをこの十年すっかり忘れていた分量も本来の書き方に戻りそうだ一章につき十枚で 56 章を予定している語りのペースを維持できれば単純計算で 560枚だ47枚書いた時点で女がまだ男に出逢っていない映画でいえば最初の十分がまだ過ぎていない140枚書かなければ導入部が終わらない今年は二作書くつもりで七月以降は中年探偵と女装男子の BL アクションが控えている。 『ぼっちの帝国がうまくいけば同じやり方で書けるはずだそのためにもぼっちはできれば六月中には書き終えて出版したい書いたものにいいわけをするのは好きではないが実生活の都合で弁解しておく現実のコールセンターってあんなんじゃないですよ少なくともおれの勤め先とは似ても似つかないSV とひとくちにいっても会社や業務によって内容も立場もまるで違う小説では実際より偉そうに書いたそのほうがおもしろいからねあの物語の世界では実際に偉いのかもしれないし主人公の主観かもしれないオペレータ視点からは管理者は威張って権力を振りかざしているかのように見えるものだずいぶん前にオペレータとして半年ほど勤めた別会社はちょっとあんな雰囲気だったかもしれないよく憶えていないけれど以上同僚や上司やオペレータのみなさんに見られたときに困るのでいいわけしたこの話題はここまでもうひとつ書いておきたいのは本の紹介ページどなたかがリンク経由で本を買ってくれたおかげで Amazon からの情報取得が復活した購入実績は PA-API 経由でなくてもいいらしいかといっていつまた使えなくなるかわからないので Amazon.js は外したままにしたそうでなくても以前から不満があった価格と出版社名を出したいだけなのに jQuery の処理なんか挟みたくないそこで Amazon.js を使わずに API から直接ひっぱってくることにしたこう書いてしまうと簡単に聞こえるかもしれないがおれは html と css がちょっとわかる程度のおじさんにすぎないちょっとわかるという表現でさえ盛りすぎなくらいだその程度のスキルでもぐぐってコピペのトライ&エラーで理想の表示を実現できたささやかながら何かを成し遂げた気分になれて満足しているカスタムフィールドに ASIN を指定するだけであのページが生成されるのだやろうと思えば書影も紹介文も取得できるのだが画像は規約上 24 時間しか保存できないし紹介文は取得できない本もあるらしいのであきらめた連載小説もエディタからコピペするだけで見栄えのいい縦書きで表示できる使い勝手のいいシステムで自分しか利用していないのがもったいないくらいだ問題はこれだけのものをつくってこれだけのものを書いていながらせいぜい日に十人にしか閲覧されないことまた広告をはじめようかなぁ読まれるためにやっているのかと問われたらどう答えても嘘になるので即答できないがだれもいない森で倒れた木は存在したといえるのかどうかという話だいいものをつくって読まれる努力をしてその成果として読まれたらそれはまちがいなく自己実現に役立つ


(1975年6月18日 -)著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『悪魔とドライヴ』が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。最新作は『ぼっちの帝国』。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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