この本が出ると聞いたときは嬉しかったよね。 大好きなピンチョンが大好きな私立探偵小説を書いてくれたわけだからさ。 村上春樹が 『長いお別れ』 を訳してると知ったときと同じくらい嬉しかった。 最高だよ。 チャンドラーの作法に忠実なのにも驚かされた。 考えてみればピンチョンのへんてこなユーモアはチャンドラーに似てるかも。 『競売ナンバー 49 の叫び』 でインターネットを予言した彼が ARPANET に言及したのもおもしろかった。 映画版もよかったよ。 イメージ通りだったね。
ASIN: 4105372114
LAヴァイス
by: トマス・ピンチョン
目覚めればそこに死体。LAPDの警官の群れ。顔見知りの刑事。んで―おいおいオレが逮捕なの?60年代も終わった直後、街にサーフ・ロックが鳴り響くなか、ロスのラリッ放し私立探偵ドックが巻き込まれた殺人事件。かつて愛した女の面影を胸に、調査を進めるドックが彷徨うは怪しげな土地開発の闇に拉致とドラッグ、洗脳の影。しかも、えーと、“黄金の牙”って?なに?ドックが辿り着いた真実とは―。
¥3,960
新潮社 2012年, 単行本 542頁
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アヴァンポップ世界のチャンドラー
読んだ人:杜 昌彦
(2017年08月31日)
(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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